【日大鶴ヶ丘 野球部】 「完全燃焼」 #日大鶴ヶ丘

夏3度の甲子園出場の名門
春・夏へ完全チューンアップ

夏に3度の甲子園出場を成し遂げている日大鶴ヶ丘。夏に強さを発揮するチームは2014年以来8年ぶりの甲子園へ突っ走る。

■これまでの借りを返す

1990、2004、2014年夏に甲子園出場を果たした日大鶴ヶ丘。昨秋は、2017年のエース赤星優志(日大)がドラフト3位指名で巨人へ入団した。2018年夏の西東京大会ではエース勝又温史(DeNA)を擁し、準々決勝で創価、準決勝で国士舘を下して決勝へ進出。決勝で日大三に敗れて惜しくも準優勝となったものの、チーム一丸となった激闘は記憶に新しい。あれから4年、選手たちは西東京制覇の目標を掲げて鍛錬を積んでいる。前チームは、秋・春・夏ともにすべて3回戦で敗退。決して力がないわけではなかったが、八王子、日大三などのライバル校の前に屈した。萩生田博美監督は「コロナ禍で制限があるのはどのチームも同じ。コロナ禍に入学してきた今年の新3年生がこれまでの借りを返してくれるはずだ」と今季のチームに期待を寄せる。

■日替わりレギュラーの緊張感

新チームで臨んだ秋季大会はアクシデントがあった。萩生田監督が眼の違和感でベンチ入りを回避。チームは指揮官不在で都大会初戦を迎えた。1回戦の相手は、強豪・佼成学園だったが、攻守の歯車がかみ合わずに1対8の7回コールドで完敗してしまった。打線は相手の7安打を上回る8本のヒットを放ったが、相手の長打攻勢を浴びた。主軸の島田優吾(3年=外野手)は「流れを変えることができずに、相手の勢いに飲まれてしまった」と振り返る。チームは秋初戦敗退後にレギュラーを白紙に戻して再構築を図った。学年の枠を超えたレギュラー争い。日々のシートノックでミスが目立った選手は、即Bチーム行き。逆にBチームで結果を残した選手は昇格した。日替わりレギュラーの緊張感がチームを劇的に変えていったという。

■コンバート実行でスケールアップ

スケールアップを図るためにコンバートを実行した。都屈指の身体能力を誇る大型野手・森安陽琉副将(3年=内野手)を一塁手からショートへ“異動”。森安副将は「秋初戦敗退の悔しさを晴らすためには勝つしかない。攻守の役割を果たして勝利に貢献したい」と話す。秋のエース河野集主将(3年)も打撃力を生かすために外野兼任とした。投手陣は、新2年生の本格派右腕・中村有佑、左の豪腕・佐々木大雅が球速を130キロ後半まで伸ばして急成長を遂げている。野手陣は、150キロ超のスイングスピードを誇るクラッチヒッター木嶋康太(2年)、高見澤晴翔(2年)も台頭し、打線の厚みが増した。投打にスケールアップを果たしたチームは、確固たる自信を胸に春、そして夏へ向かう。2018年夏の決勝進出以来、チームは結果を残せていない。日大鶴ヶ丘のプライドを胸に戦う島田が「自分たちの代でやってやるつもり」と話せば、河野主将は「自分たちの代で新しい歴史を作りたい。夏まで残り約4カ月、全員で完全燃焼する」と気持ちを込める。

日大鶴ヶ丘は、ありったけの情熱を白球へぶつけていく。

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