春夏通算14度甲子園出場の伝統校
10年ぶりの甲子園に「ロックオン」
春夏通算14度甲子園出場の伝統校・高崎商が夏仕様のチームに仕上がってきた。プライドを胸にグラウンドに立つ選手たちは、2012年夏以来10年ぶりの甲子園を目指す。
■公立最後の甲子園出場
2012年夏、高崎商は群馬大会準々決勝で伊勢崎清明、準決勝で桐生南、決勝で桐生市商に勝利して11度目の甲子園出場を決めた。過去9年間(2020年は選手権中止)は、前橋育英と健大高崎が甲子園出場を分け合う「2強時代」。全国的に私学時代が到来している中で群馬県では、あの大会以降、公立校が甲子園切符をつかんでいない。あれから10年、選手たちは再び甲子園に立つために鍛錬を積んでいる。
■夏直前、チームに新たな活気
チームの軸は、攻守のセンスが光る津久井光輝主将(3年=外野手)、昨夏から主軸に座る加藤光貴(3年=内野手)。松林優和(2年=内野手)。鎌田将輝(3年=外野手)らが打線のアクセントとなり、ショート浅見翔大(2年)、捕手・中條漣(3年)のセンターラインが守備を安定させる。昨秋は前橋東に1対2で惜敗、今春は2回戦で常磐のパワーに5対10で屈した。チームは秋から春にかけて、打順、ポジションを入れ替えるなど配置転換。選手たちは夏に向けてさらに進化。チームの完成形が見えてきた。練習から声が出るようになり、チームには活気が生まれている。津久井主将は「声はどのチームにも負けない。チーム一体となって勝利をつかんでいく」と臨戦態勢に入る。
■灼熱のダイヤモンドへ
高崎商は昨年度、創部100年の区切りを迎えた。昨夏は3回戦で利根商に6対7で惜敗して甲子園への夢が断たれたが、情熱は継承されている。創部101年の今年、伝統のユニフォームに袖を通す選手たちは、先輩たちの思いも背負って灼熱のダイヤモンドに立つ。甲子園切符は届くものではなく、自分たちの力でつかむもの。OB指揮官の堤悠輝監督は「チャレンジャーとして目の前の試合にぶつかっていく。高商の意地をみせたい」と語る。高崎商は今夏、群馬大会を制して、復活の狼煙を上げる。