2011年春にベスト8進出した伝統校
24歳の新人OB指揮官就任で新たなスタート
2011年春にベスト8へ進出した実績を持つ戸塚。2015、2019年夏にはベスト16へ進出するなど一丸となった戦いには定評がある。今春からは、OB新人指揮官が就任して新たなスタートを切っている。
■日々の学校生活と練習が土台
底力と野心を秘めたチームだ。2011年春には、その春の選抜で全国制覇を果たした東海大相模を3対2で撃破しベスト8へ進出した。その後も私学強豪に対して、勇敢な戦いを挑んできた。2019年夏には5回戦で相洋と対戦して4対4で延長戦へ突入、延長11回で惜敗したが堂々たる戦いをみせた。2020年以降はコロナ禍によってチームは足踏み状態が続いているが、緑を基調としたユニホームに袖を通す選手たちは、学校の伝統と自身のプライドを力にして努力を重ねている。日々の学校生活と練習が、戸塚の土台となっている。
■2年生7人、1年生10人の少数精鋭
今春には新たな指導体制となった。2021年まで的場章監督、2022年は渡邊拓斗監督が率いたが、2023年4月からは2017年度卒業のOB本郷樹監督が就任。24歳の新人指揮官は戸塚時代に4番キャッチャーでキャプテンを務めた。日大卒業後に臨時的任用を経て今春に戸塚の監督を任された。当時は3学年合わせて60人以上の部員がいたが、今秋の新チームは2年生7人、1年生10人の17人。コロナ禍などの影響によって公立校野球部の環境は変わっているが、日向広塁部長と二人三脚で時代に合わせた指導で選手たちに寄り添っている。本郷監督は「採用1年目で母校の指揮を執らせてもらっていることに感謝しています。生徒たちとコミュニケーションを図りながらチーム再建を目指したい」と謙虚な姿勢で指導に励む。
■私学強豪の壁を乗り越えていく
今夏は初戦となった2回戦で関東六浦に快勝し、3回戦では横浜と対戦した。エース大久保泰良を軸とした3年生たちが序盤から粘り強い戦いをみせて5回まで0対4で耐えたものの6、7回に失点を重ねて1対10のコールド負けとなった。だが、横浜相手に完全燃焼した。 新チームは森田輝生主将(2年=内野手)を軸に始動。夏レギュラーだった道添涼太(2年=内野手)、工藤悟郎(2年=外野手)が中心となり秋予選に挑むと2勝1敗で予選突破。秋大会は1回戦で生田に6対9で惜敗して初陣を終えた。新チームのスローガンは「想う・感じる・考える」。技術的には発展途上だが、思いやりを持って相手の立場で考えることによって選手としてだけではなく、人としての成長を目指す。森田主将は「今年のチームの人数は少ないですが、お互いに高め合うことで成長していきたい。私学強豪の壁を乗り越えて新しい伝統をつくっていきたいと思います」と力を込める。OB指揮官と選手たちは、戸塚再建のために全力を尽くす。