【前橋東 野球部】「本気」

中毛リーグ優勝、秋シード獲得。

経験値の高い選手たちが未知なる世界へ挑む

今夏の中毛リーグで優勝し秋大会のシード権を獲得した 前橋東。

夏を経験した選手が多く揃うチームは、秋大会3回戦で敗れた悔しさを糧に“本気”で甲子園へ挑む。

■ 夏レギュラー7人が残った新チーム

秋季大会のシードを決める新チームの地区大会・中毛リーグ(前橋・伊勢崎・渋川・沼田など)で初優勝を遂げた。

飛躍の前兆はあった、今夏大会は2回戦でシード樹徳と対戦、序盤3回までに7対1でリードするなど金星をつかみかけたが最終的に8対9で敗れた。

悔しい敗戦だったが、2年生主体のチームながら強豪を追いつめた戦いは高く評価された。

今夏のレギュラー7人がそのまま残った新チームは、「甲子園出場」を現実的な目標に定めてスタートを切った。

■ 「自分たちの野球ができた」

5校で行われた中毛リーグ予選では、沼田・渋川青翠・群馬高専・利根実の4試合全勝で予選突破、決勝トーナメントに進出した。

決勝トーナメント準決勝では伝統校・前橋工に2対1で勝利。

決勝では公立強豪の伊勢崎清明を4対2で下して、その実力を示した。

攻守の要・松井玲(2年=内野手)は「中毛リーグでは自信を持って、自分たちの野球ができた」と振り返る。

しかし、優勝の余韻に浸っている時間はなかった。

目標は、秋季大会で勝ち上がって関東大会へ出場すること。

シード権を獲得したチームは、士気高く県大会へ向かった。

■ 秋季大会は3回戦で無念の敗退

1回戦、2回戦を勝ち上がった前橋東は3回戦で、今夏準優勝の前橋商と対戦した。

だが、大舞台で自分たちの力が発揮できなかった。

鹿沼亮介副将(2年=内野手)は「内野のエラーでリズムが崩れてしまった。

自分たちの甘さが結果につながってしまった」と悔やむ。

エース栗原裕汰(2年)は「守りのほころびがあった中で、自分たちが雰囲気を作れなかった。

強豪に勝っていくためには1球にこだわり、強い気持ちで戦わなければいけないと思った」と振り返る。

■ 秋の敗戦を糧に

秋季大会は3回戦で終わった。

小暮直哉監督は「中毛リーグまでは“夏の貯金”を生かすことができた。

だが秋季大会になって多くのチームが力を伸ばす中で、うちは調子を上げることができなかった。

自分たちはチャレンジャーであるべきだったのに、そこに迷いが生まれてしまったのかもしれない。

ただ、今年のチームには大きな可能性があるので、ここから春・夏へ向けてやり直していく」と前を向く。

前橋東は、秋の敗戦を力に這い上がる覚悟だ。

■ 投打の戦力充実

戦力は充実している。

キャプテンシーあふれる主将・梅野竜太(2年=外野手)がチームの軸となり、個性あふれる選手たちをまとめている。

投手陣は、エース栗原のほか、石綿樹(2年)、笛木駿名(2年)も力を伸ばす。

女房役の新井郁弥(2年=捕手)が、投手陣をリードする。

打線は、シャープな打撃に加えてチーム1の走力をみせる鹿沼副将、巧打の松井、主砲・船戸一真(2年=内野手)が迫力のスイングをみせる。

梅野主将は「中毛リーグで順調に勝ってしまったためチームの課題が見えにくかった。

秋に負けたことで自分たちが強くないことがわかったので、冬にさらにレベルアップして夏の甲子園を狙っていく」と気持ちを込める。

■ 本気で狙う甲子園

選手たちからは「甲子園」という言葉が多く聞かれた。

指揮官は「2012年の就任当初は、甲子園という言葉を声に出す選手は少なかった。

でもいまは本気で甲子園を狙えるチームになっていると感じる」と再起を誓う。

前橋東は、秋の敗戦を糧に『本気』の意味を追求していく。


群馬県立前橋東高等学校

【学校紹介】
住 所:群馬県前橋市江木町8001
創 立:1980年
甲子園:なし
昭和55年に開校した文武両道の進学校。

部活動も盛んで、柔道、卓球、バドミントンなどの運動部のほか吹奏楽などの文化部の活動も活発。

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