2022年春ベスト４、2022年夏ベスト８進出
県立気鋭のチャレンジは2023年も続く
2022年春にベスト４、夏にベスト８という結果を残した藤沢清流。2023年の選手たちは、前チームに負けない熱量で自分たちの道を切り拓いていく。
■３年生引退後にチームが刷新
2022年、藤沢清流は神奈川を舞台に大旋風を起こしてみせた。大型左腕エース木島直哉（引退３年）、田嶋陽人主将（引退３年＝遊撃手）を軸としたチームは昨春に進撃をみせてベスト４まで駆け上った。シードで迎えた昨夏にも力強い戦いをみせて８強へ進出。その戦いは、県内公立に勇気を与えた。神奈川のトーナメント表に好結果を刻んでみせたが、夏大会後には３年生が引退して新チームになるのが高校野球。新生・藤沢清流は今泉悠人主将（２年＝内野手）、エース柴山隼人（２年）が中心となり新たなスタートを切った。選手が入れ替わるのが常ならば、前チームと比較されるのも、また宿命。選手たちは強い気持ちで新シーズンへ臨んだ。
■一生懸命×熱量＝進化
2018年から指揮を執る榎本正樹監督は、選手の能力を引き出す指導によってチームレベルを上げた。新チーム始動時、指揮官は新チームの選手たちに問いかけたという。「どんなチームにしたいのか？」「どんな結果を残したいのか？」。目標や方向性は、監督が決めるのもではなく、選手たちが決めるもの。今泉主将は「春ベスト４、夏ベスト８は先輩たちが残してくれた結果。先輩たちを追うのではなく、自分たちのチームで先輩たちを超えて行きたい」と話して、新たな挑戦が始まった。個人の力は前チームが上だが、結束力では負けない。新チームの選手たちは一丸となって戦うことで、2022年を超えていくことを目指す。榎本監督は「この学年は一生懸命に取り組める選手たちが揃っている。それに熱量を加えることができればチームは一気に変わっていくはず」と背中を押す。
■エース柴山を軸に再び上昇気流へ
今季のチームの大黒柱は、最速135キロの本格派右腕・柴山。しなやかなフォームから伸びのあるストレートを投げ込む主戦で、スライダーのキレも鋭い。夏までに140キロ超を狙える素材で藤沢清流を再び上昇気流に乗せる力を秘める。さらに、最速130キロのサウスポー柴田統和（２年）も力を伸ばす。打線は、小島直人（２年＝内野手）、榮結真（１年＝内野手）らがチャンスを作り、大井優也（２年＝外野手）、柴山のクリーンアップで得点を奪っていく。秋県大会は初戦の２回戦で横浜栄に屈したが、敗戦を糧にチームは一つになっている。現在の部員数は２年生17人、１年生18人。昨年の結果によって春には新入部員が多く加わる可能性もあり、レギュラー争いは激しくなっていく。エース柴山は「チーム全員の力を合わせて私学を撃破したい」と力を込める。進撃は止まってはいない。県立気鋭のチャレンジは2023年も続く。
