【前橋商】「挑」

春夏通算8度の甲子園出場の実績
2010年夏以来13年ぶり聖地へ

 春夏通算8度の甲子園出場を誇る伝統校・前橋商。投打の力を高める今年のチームは、2010年夏以来13年ぶりの甲子園へ突っ走る。

■投打のバランスが整うチーム  

今年のチームは、投打のバランスが例年以上に整っている。打撃陣は、リードオフマン金子蒼生(3年=内野手)、高校通算11本塁打の強打の2番・齋藤隼(3年=外野手)がスイッチ役となり、4番・真藤允宗主将(3年=内野手)へつなぐ。前チームからレギュラーとしてプレーする走攻守三拍子揃ったショートストップ真藤主将は、高校通算11本塁打の長打力としなやかさを兼備するプロ注目プレーヤー。小池絆(2年=内野手)、渡邉奏磨(3年=内野手)も力を伸ばし、チームは私学に負けない破壊力をみせている。打撃のキーマン齋藤は「チャンスでの長打で一気に流れを変えていきたい」と夏の舞台を待つ。

■トーナメントを勝ち上がるプラン  

夏を控えて、坂部羽汰(3年)、須田湧貴(3年)、清水大暉(2年)の投手陣が、一気に力を高めてきた。右オーバーのエース坂部は最速145キロをマーク。アベレージで130キロ終盤のストレートで相手打線を抑えていく。サウスポー須田は最速134キロのストレートとカーブを武器に緩急をつけたピッチングをみせる。今春大会でベールを脱いだのは、身長190センチ85キロの2年生大型右腕の清水だ。1年時には膝の怪我などもありトレーニングに専念。春からマウンドに上がると城南球場で最速148キロをマークし、スタンドをどよめかせた。  「投手陣の力を合わせて勝ち上がっていく」(エース坂部)。タイプの違う3投手の起用によって夏のトーナメントを勝ち上がっていくプランだ。

■甲子園だけを見ている  

春大会は、2回戦で桐生市商に11対4、3回戦では高崎商に9対2で勝利しベスト8へ。準々決勝では前橋育英と真っ向勝負し、齋藤、真藤主将らの勝負強い打撃で得点を奪うと、5回には米山泰成(2年=捕手)の本塁打などでリードを広げて、7回時点で6対3と優勢にゲームを進めた。しかし、8回にエース坂部を含めた守備で耐えきれずに4失点。勝利を目前にしながら6対7で屈した。エース坂部が「夏は最後まで勝ちきれるピッチャーになっていく」と話せば、真藤主将は「チーム一丸でチャレンジして甲子園へ行く」と力を込める。  今夏は、声での応援も再開となり、前橋商のスタンドが熱く燃えることが予想される。投・打・応援の力を備える前橋商は今夏、13年ぶりに甲子園への扉を開ける。

 

 

おすすめの記事