【高崎商】「スピード&パワー」

春夏通算14回の甲子園出場を果たす名門
走攻守のバランスは県屈指、いざ甲子園へ

 春夏通算14回の甲子園出場を果たす高崎商。11年ぶりの夏甲子園を視野に入れて、夏開幕を待つ。

■コロナ禍の試練を超えてチーム充実  

復活の予感が漂っている。伝統校・高崎商は2012年夏に甲子園出場を果たしたが、それ以降、群馬県では前橋育英、健大高崎ら私学優勢の時代になり、公立校が夏甲子園に辿り着くことができていない。高崎商は2015年にベスト4、2018年にベスト4へ進出したが、準決勝で桐生第一、健大高崎に屈して甲子園への道を阻まれた。復活を期す高崎商は、2019年春からOBの堤悠輝監督がチームを指揮している。コロナ禍の試練を超えて、チームは再び、上を目指す態勢が整い始めた。選手たちは高いモチベーションで日々の練習に励み、決戦の舞台を待つ。伝統校は夏に強さを発揮する。

■投打の軸が確立されチーム安定  

今年の戦力は、走攻守のバランスが整っている。打撃の軸は、前チームから主軸だった松林優和(3年=内野手)。強打のリードオフマンで高校通算25本塁打を放ち、チームの切り込み隊長として打線を活性化させる。松林は「勝負所で役割を果たしてチームを勢い付けたい」と闘志を込める。金井大和(3年=捕手)、横室煌理(3年=外野手)のクリーンアップも迫力が増す。投手陣は、橋本賢太(3年)、中嶋大雅(3年)らタイプの違うピッチャーが揃う中で、身長183センチの大型右腕・島田颯(3年)が130キロ後半のストレートと“お化けフォーク”を武器に力を伸ばす。風格十分の島田は「ストレートとフォークを武器にチームを勝たせるピッチングをみせたい」と夏のマウンドへ向かう。

■冬トレで追い込みスケールアップ  

今年のチームは、スピードのある選手も揃っている。小幡東馬(3年=外野手)、諸田涼馬(3年=内野手)、川端真夢(3年=内野手)ら走力の高いプレーヤーが機動力を発揮する。冬トレでは「スピード&パワー」をテーマに自分たちを追い込み、スケールアップを果たしている。3年生21人をまとめる高岸涼真主将(3年=外野手)は「今年のチームは団結力が武器。一戦一戦、勝ち上がって甲子園出場を目指す」と話す。     

昨秋は2回戦で前橋育英、今春は3回戦で前橋商に屈したが、チームの課題は「ゲーム終盤の戦い」。高崎商は、一丸となった戦いで粘り強く接戦を勝ち切っていく。選手たちは「スピード&パワー」で、上州の頂点(てっぺん)へ駆け上がる。

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