創立100周年の今年、18年ぶりの春県大会進出
O B新指揮官のもと基本に立ち返り夏へ
伝統進学校の清水東。この春は18年ぶりに春県大会出場を果たし、気持ち新たに夏を迎えようとしている。(取材・栗山司)
■18年ぶりの春の県大会出場
県内屈指の進学校は今年創立100周年を迎える。記念すべき年に、18年ぶりとなる春の県大会出場を果たした。 中部地区大会の初戦は川根と対戦。昨秋の公式戦で敗れた相手に対し、計7得点を奪って好スタートを切った。続く県代表決定戦(対静岡商)では、9回まで3点をリードする展開。9回裏の土壇場で4点を失って敗れたが、すぐに気持ちを切り替えた。敗者復活戦(対静岡東)は1点ビハインドの9回、1死二三塁で打席には5番・豊田琢人(3年=内野手)を迎える。豊田は外角球をとらえると打球はレフト前へ。2者が還って逆転に成功した。そして9回裏は2番手で登板した戸田隼人(2年)が締めてゲームセット。ナインに笑顔が広がった。 エースで4番打者の小林拓未主将(3年)は「冬に取り組んできたバッティングの成果が出た」と振り返る。
完封負けを喫した昨秋の反省から、冬の期間はバットを振り込んできた。ただ振るだけではない。ティー打撃では目的に合わせてバットの重さ、長さ、素材を変えながらレベルアップをはかってきた。 日々の練習時間は2時間から2時間半程度。下校後は学習塾に通う選手も多い。短時間の中でいかに効率的な練習で結果を出すかが求められている。
■県大会から学んだこと
今年4月1日から指揮をとるのが同校OBの齋藤孝之監督だ。高校時代は「1番センター」で活躍し、進学した筑波大では首位打者を獲得。その後は社会人までプレーを続け、都市対抗に出場した経験を持つ。 18年ぶりの春の県大会に向けて、齋藤監督はまず守備の強化をはかった。 しかし、その守備のミスから崩れ、県大会で勝利を挙げることは叶わなかった。聖隷クリストファー相手に0対7で8回コールド負け。小林主将は「相手と比べて守備力やテンポが違った」と話す。
大会後、夏を見据えて基本の見直しをはかった。「基本に忠実にやろう」。選手間でその言葉が頻繁に飛び交っている。「バッティングも走塁も守備も、全てにおいて基本に忠実にやることを心掛けるようになりました」。(小林主将) 例えば攻撃面では基本の打撃フォームを身につけ、戦術の幅を広げようと取り組んでいる。
■夏は校歌を歌う
母校に戻ってきて2カ月。齋藤監督はしみじみと語る。「自分たちの小さい頃は、勉強ができるのはもちろん、サッカーも野球も全国に行って強い高校というイメージがあって憧れた。もう一回、そういう時代を作っていけたら」。 節目の年に就任した新監督に導かれ、1段ずつ階段を昇る清水東。この夏、伝統の校歌を全員で歌う。