10人で臨んだ今春大会で価値ある「県1勝」
連合から単独チームへ“復活”し一歩ずつ成長
2021年秋、2022年春に連合チームでのエントリーとなった相原。“情熱”と“環境”が整うチームは昨夏から再び単独チームで大会参加。今春は県大会1勝を挙げるなど進化を示している。
■勝利の価値を知る選手たち
勝利の喜び、勝利の価値を知る選手たちだ。相原は2020年夏に単独で出場して12年ぶりの夏1勝を挙げた。しかし、その秋には1・2年生の部員が6人となり、連合チームに加わる形で2021年秋、2022年春の大会にエントリーした。2022年春は、相原の選手を中心にしながら「相原・津久井・橋本・厚木清南・愛川・中央農業」の6校連合で春予選に臨むと、学校の枠を超えて一体となった戦いをみせて予選を突破してみせた。春大会後に新入部員を加えたチームは2022年夏に単独チームへ復活した。一般的に一度連合チーム参加になると単独復帰が難しいケースが多いが、相原はチーム活動を維持し、そこから単独チームでのエントリーが続く。選手、指導者の情熱がチームをよみがえらせた。
■春は歴史的な「県1勝」
新入生が加わる前の戦いとなった今春は選手10人での戦いとなった。予選は、相原、厚木西、秦野総合の3チームブロック。相原は、厚木西には3対7で敗れたものの、秦野総合戦に4対1で勝利。ブロック2位で、麻布大附との代表決定戦に参戦。県大会出場をかけたゲームは実力拮抗の好ゲームとなった中で、相原が5対4のサヨナラ勝ちを収めて、県大会出場権をつかみ取った。チームの進撃は、まだ止まらなかった。勢いに乗ったチームは、県大会1回戦・橘学苑に8対3で勝利し、20年以上ぶりの春県大会勝利となった。那須野恭昂監督は「このチームは、連合から単独復帰、そして県勝利と一歩ずつ成長してきた。苦労をしてきた分、勝つ喜びは、ほかのチーム以上のものがあるかもしれない」と選手に寄り添う。
■みんなで作ってきたチーム
今年のチームは、春大会後に7人の1年生が加わり、マネージャー2人を含めて17人となった。夏ベスト16を狙う相原は、重原然主将(3年)と佐藤光希(3年)の両サウスポーが軸になりゲームを作っていく。打撃陣は、177センチ103キロの左の大砲・鈴木海生(3年=内野手)が迫力の打球を飛ばせば、ルーキーの関根颯斗(1年=外野手・投手)も力を発揮。夏に向けて投打の戦力は整いつつある。重原主将は「みんなでチームを作ってきたので、思い入れも強いし、その分、勝ったときの喜びも大きい。応援されるチームになって夏ベスト16の目標を達成したい」と力を込める。17人の部員が集まった相原は野球ができる喜びを表現しながら、みんなの力で伝統をつないでいく。