心技体の「心」を大切にする野球部
2024シーズンの都立ブレイク候補筆頭

2023年夏にベスト16へ進出した実績を持つ杉並。今春に26人の1年生が加入したチームは「応援されるチーム」を目指して心技体を鍛え上げていく。

■2024年春に26人の1年生加入

 2024シーズンの都立ブレイク候補の一つ杉並。JR阿佐ヶ谷駅、東京メトロ南阿佐ヶ谷から徒歩圏にある学校敷地内の専用グラウンドに、選手たちの威勢の良い声が響いている。選手たちの情熱と笑顔がみなぎるチームは2018年夏3回戦で日大三相手に6回表まで4対3とリード。最終的には4対7の惜敗となったが大善戦となった。現在の指導体制となった2023年夏には大会3勝を挙げて創部初のベスト16進出を成し遂げた。都立の快進撃は驚きを持って報じられた。都立としては恵まれた練習環境を持つチームには、2024年春に26人の1年生が加入、西東京の都立では最多という。

■マネージャーがチーム紹介動画編集

部員増加の理由は、チーム躍進のほかマネージャーの工夫があった。杉並には2年生14人、1年生26人のほか2年生4人、1年生1人のマネージャーが在籍、大きな戦力になっているという。夏の練習体験会には、マネージャーが編集したチーム紹介動画を放映して、チームの雰囲気や日常の練習風景などを伝えている。また、学校行事なども紹介して部活動だけではなく学校の魅力も発信してきた。江川稟香(2年=マネージャー)は「高校では誰かをサポートする役割がしたかった。チームの力になれるようにみんなで頑張っています」と笑顔をみせる。今春には、中学強豪チームから1年生ルーキーが加入、戦力は確実に上がっている。

■「有言実行」「一戦必勝」「杉並旋風」

上昇気流に乗るチームを指導しているのは、小林研一郎監督、金子大樹助監督、市野雅也責任教師。2022年秋から指揮を執る小林監督と金子助監督は、都立昭和出身。現役時代に都立でプレーした経験を杉並で活かしている。小林監督が掲げる部訓は「心技体の心を大切にする野球部」だ。技術、フィジカルを司るのは「心」。指導陣は、野球を通じて人としての成長を促す。新チームの目標は「甲子園出場」、そして「有言実行」「一戦必勝」「杉並旋風」の3つを追求していく。髙杉柊太主将(2年=内野手)は「学年の垣根がなく、みんなで切磋琢磨できるチーム。力のある選手が揃っているので、年間を通じて成長することで結果をつかみたい」と気持ちを込める。新シーズン、杉並が西東京に旋風を巻き起こす。

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