春16強進出で9年ぶりシード獲得
指揮官の戦略と選手の情熱が武器
「県相(けんそう)」の愛称で親しまれる県立強豪・相模原。今春ベスト16進出で9年ぶりにシード権を獲得したチームには、夏に“大旋風”を起こす予感が漂っている。
■私学と真っ向勝負を演じる県立進学校
相模原は、2015年春に進撃をみせて決勝戦へ進出し準優勝となった。私学と真っ向勝負を演じる県立強豪は、2018年夏の北神奈川大会準々決勝で東海大相模と激闘を演じた。8対9で敗れたものの、東海大相模を土俵際まで追い詰めた。2019年夏には、準々決勝で横浜と対峙して、0対5で迎えた7回に一挙5点を奪ってゲームをひっくり返すと8対6で勝ち切ってベスト4へ進出。横浜スタジアムにかけつけたファンを熱狂させた。今春は2回戦で鶴見大附、3回戦で金沢に勝利してベスト16入り。2015年春以来9年ぶりの夏シード校となった。
■ノーシードのつもりで挑戦
チームを率いるのは、百戦錬磨の佐相眞澄監督だ。川崎北指揮官時代の2007年秋にはベスト4へ進出。相模原でも名勝負を演じてきた。県立の戦いを知り尽くす指揮官は、勇敢な戦いによって数多くの「金星」を奪ってきた。ベテラン指揮官は9年ぶりのシードをどう受け止めているのか。佐相監督は「過去の夏ベスト4、ベスト8進出は、いずれもノーシードから。一戦一戦を必死に戦うことで選手は強くなれる。今年の夏は9年ぶりのシードだが、ノーシードのつもりでチャレンジしていく」と語る。指揮官の戦略と選手の情熱がかみ合ったとき、チームはさらなる進化を遂げる。
■最後の瞬間まで成長していく
今年のチームは、のびしろの大きなチームだ。三好悠介主将(3年=内野手)を中心にチームは団結、秋、春大会を経て大きく成長した。投手陣は、右サイドの正木涼太(3年)、サウスポー杉崎莉玖(3年)のダブルエースが安定。打撃では若松優太(3年=外野手)、杉本望(3年=外野手)、鈴木瑛大(3年=外野手)、和田圭滋(3年=捕手)らがシャープなバッティングをみせている。スタープレーヤーはいないが、一丸となった戦いによって、それぞれが力を発揮していく。「不思議な力がわき上がってくるチーム」(佐相監督)。三好主将は「入学からあっという間の時間だった気がするが、日々成長できた。最後の瞬間までチーム全員で成長して結果をつかみたい」と話す。「KENSO」のユニホームは、夏に輝く。