昨年6月に同好会誕生、今春東東京に新加盟
3年生3人、1年生11人での新たなスタート

荒川区の都立竹台(たけのだい)が今春、東東京大会に新加盟となった。14人の部員たちは、初の公式戦となる夏大会へ向けて準備を進めている。

■上野公園などで練習し初の公式戦へ

今春、竹台に硬式野球部が誕生した。チームが産声を上げたのは昨年6月。それまで軟式野球部は存在したが、硬式野球部はなかった。その春に異動してきた藤原將貴教諭(現監督)が生徒たちと話をしている中で、硬式野球に興味がある生徒がいることを知った。藤原教諭は、各クラスを回って野球経験者などを探し、5人が集まった段階で「硬式野球同好会」を立ち上げた。石井敬太主将(現3年=内野手)、水野叶翔副将(現3年=外野手)、及川聖央(現3年=投手)が中心となって練習がスタート。学校改修工事で校庭が使えない中、校内通路でのティー打撃やフィジカルトレーニングを繰り返した。また、学校近くの上野公園野球場(正岡子規記念球場)を借り、Kボールを使って基礎練習を行った。

■東海大高輪台出身の若き指揮官

同好会は、藤原監督と岩瀬陸斗部長の指導体制となった。藤原監督は東海大高輪台で投手としてプレー。東海大札幌キャンパスでも野球を続けて、卒業時には独立リーグのセレクションに参加するなど熱心に野球と向き合った。卒業後に教員の道を選ぶと、2019年に昭和へ着任し大原博文監督の下、指導を学んだ。そして昨春に竹台へ異動となり、学校などの協力を経て野球部始動に関わった。藤原監督は今春の東京都高野連加盟のために、     周囲の中学チームへ挨拶回りを行った。「3年生のためにも9人のチームで大会に参加させてあげたかった」(藤原監督)。その結果、選手9人、マネージャー2人の計11人が入部。3年生と合わせて14人となり、無事連盟に加入することができ、野球部としての大会参加が承認された。

■新たなチャレンジは価値ある一歩

3年生3人は、初陣に向けて気持ちを高めるとともに、胸に「TAKEDAI」とデザインされた公式戦ユニホームを制作。大会参加が決まったことで練習にも熱が入る。1年生たちのユニホームは夏大会直前に届く見込みだ。
 チームは、昭和などと練習試合を行い、実戦経験を積んでいる。藤原監督は「高校野球の目標は甲子園ですが、目的は人間形成。今年の夏は難しい戦いになると想定されますが、選手たちと一緒に初勝利をつかみたいと思います」と夏大会を待つ。野球人口減少が著しい中で、竹台の新たなチャレンジは中学生の選択肢を増やす意味でも価値ある一歩。選手たちは、野球の魅力を存分に感じながら夏の舞台に立つ。

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