情熱と野心で35年ぶりの甲子園出場へ
「限界突破」で目指す2度目の「聖地」
1990年夏に甲子園出場の実績を持つ青藍泰斗が、「ONE TEAM」のスローガンを掲げて復活を期す。情熱と野心みなぎるチームは、35年ぶりの甲子園出場を目指す。
■切磋琢磨で“あと一歩”のその先へ
青藍泰斗は1990年夏に栃木大会を制して初の甲子園出場を果たしている。甲子園では初戦で勝利目前だったが土壇場で逆転負けを喫した。甲子園初勝利を目指してきたチームだったが以降は甲子園に到達できていない。2013年夏には準優勝、2018年には準決勝で連覇を更新していた作新学院を追い詰めたが2対3で惜敗。2019、2022年秋には関東大会へ出場したが選抜チケットはつかめなかった。あと一歩、あと1勝。青藍泰斗は“シルバーコレクター”脱却のために練習に励む。
甲子園を視野に入れるチームだが、剛腕・石川翔(中日)、強肩捕手・益子京右(横浜DeNA)ら個性派プレーヤーをプロへ輩出。専用球場に加えて室内練習場が完備されている環境では、野心あふれる多くの選手が牙を磨く。
■強さと優しさを兼ね備えた選手になれ
チームは2023年秋から新たな指導体制となっている。大卒5年目の青山尚緯監督が昨秋から指揮を任されている。青山監督は佐野市に隣接する群馬県・桐生市商出身で、関東学園大でプレーしたあとに、大学の同期で青藍泰斗OBの芝野翼コーチと共に新卒着任。現在は山本秀幸部長(元監督)、永井啓太コーチ、糸井雅人外部コーチを加えた5人体制によって選手の力を伸ばしている。若き指揮官は、昨今のプロ野球界などで取り入れられている練習メニューなども組み込み、心技体強化を図る。青山監督は「野球はチーム競技なので、仲間への気配り、思いやりが大切。強さはもちろん優しさを備えた選手になってほしい。選手たちは2年半で大きく成長していく。自信を持ってプレーすることで、限界を突き破ってほしいです」と、“良き兄貴”として選手を支える。
■スローガンは「ONE TEAM」
今季のチームは、前チームから主力としてプレーした選手が多く残り経験値を継承している。佐川秀真主将(2年=内野手)は前チーム始動の1年秋からキャプテンを任され、心身ともに成長を遂げた。新チームの軸は、投球術に磨きがかかる技巧派左腕エースの中田吏(2年)と、佐川主将、鈴木俊世(2年=内野手)、永井竣也(2年=外野手)のセンターライン。鈴木と永井は投手としてもマウンドに立ち、エースを支えている。今夏の栃木大会では準決勝で国学院栃木、秋大会では準々決勝で佐野日大に屈した。大舞台でライバルを下せば頂点が見えてくる。新チームのスローガンは「ONE TEAM」。佐川主将は「今年のチームは勝利のためにみんなで言い合える土台がある。気持ちを一つにして甲子園を目指す」と力を込める。昨夏から困難を乗り越えてきた選手たちが紡いだチームワークはどこにも負けない。限界突破。その先に2度目の甲子園出場がある。