【鶴見大附】  「勝つために」

2022年夏に32強進出のダークホース
元プロ加藤正志氏が率いる個性派軍団

2022年夏にベスト32へ進出した実績を持つ鶴見大附。元プロ野球選手が率いるチームは「人間力」を磨くことで結果を追求していく。

■創部15年目の神奈川の新鋭

鶴見大附は2008年の男女共学化に伴い野球部が誕生し15年が経過した。選手たちは高台の住宅街にある学校敷地内でトレーニングに励むほか、週2〜3回は学校近くに位置する大学グラウンドも利用し実戦練習を積み重ねる。チームは2009年に夏初陣となり、2010年に夏初勝利。2010年代には強豪相手に一歩も引かない戦いを演じるなど経験値を高めると、2022年夏には川崎北、神奈川工の実力校に勝利して創部初のベスト32(4回戦)へ進出してみせた。創部15年、なかなか勝てない時期もあったがチームは確かな進化をみせている。

■勝てるチームになるには?

2021年度からチームを率いるのは、横浜出身の元プロ野球選手・加藤正志氏だ。右アンダースローの実戦派投手で、東京実業高から鶴見大、そしてJR東日本東北へ進み、2014年のドラフト会議で楽天から6位指名を受けて入団。プロの舞台で2シーズンを過ごして再び社会人野球へ。プロ復帰を目指したが現役を引退し、一般企業で働きながら高校生指導に打ち込む。加藤監督は「プロ、社会人野球を経験して感じたのはどの世界も人間力が土台になるということ。高校生たちには技術だけではなく、自分が社会で学んできたことを伝えていきたい」と人間形成にも力を入れる。選手たちに問いかけるのは「勝つために」。指揮官は「勝つチームになるには?」「勝つために必要なことは?」を選手に問いかけていく。

■打倒シードへ、チーム一丸

2024年夏に挑むチームは、前チームからのレギュラー7人が残り経験値が維持されている。秋大会では1回戦で横浜翠陵を撃破し2回戦で日大藤沢と対戦。自分たちのリズムがつかめないまま1対8で敗れる結果となった。チームの課題は、シードクラスのチームを倒すこと。雪辱を期す鶴見大附は、走攻守3拍子揃った小池音煌主将(2年=内野手)、最速134キロのエース高野駿矢(2年)、主砲・茂木優太朗(2年=内野手)を軸に地力を蓄えている。加藤監督は「2022年のベスト32のチームよりも投打の総合力は高い。この冬に勝つための行動ができればベスト16以上も夢ではない」と期待を寄せる。小池主将は「みんなが役割を果たすことで成長できる。全員の力を合わせて戦っていく」と春を待つ。それぞれの力を結集し一丸となるチームは神奈川のトーナメントを這い上がっていく。

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