2014年夏、2016年秋にベスト4進出
昨夏のミラクル劇をもう一度
進学校・高崎経済大附は2014年夏、2016年秋にベスト4進出を果たした実績を持つ。今季のチームは昨夏を経験した選手たちが残り、再び旋風を起こす予感が漂っている。
■高経附の誇りを胸にグラウンドへ
文・武・学校生活の三刀流だ。野球部員の3つの指針は「所属団体をより良くするリーダーとなれ!」「希望大学に進学せよ!」「甲子園を目指せ!」。どんな状況でも指針は変わらない。今期はムードメーカーの新井央翔(2年=内野手)が学校の生徒会長を務めるなど、野球部員としてだけではなく高経附の一員としての責務を負う。学校のリーダーとなった新井は「野球部員は学校の模範にならなければいけない。野球部の力で学校をより良くしていきたい」と笑顔をみせる。選手たちは高経附の誇りを胸にグラウンドに立つ。
■昨夏は桐生商相手に大逆転劇
チームは地力を蓄えている。昨夏は1回戦で公立実力校・桐生商と対戦して、3対7で9回裏を迎えた。観客の多くは桐生商勝利を確信したが、高経附の選手たちは、誰ひとりあきらめなかった。9回裏に怒涛の反撃をみせると、一気呵成の5連打で一挙5点を奪ってミラクル逆転劇を演じてみせた。サヨナラ打を放った高橋剣芯(2年=内野手・投手)は「気持ちが昂ぶる状況で小池監督が初球に『待て』のサインを出してくれて落ち着いた。応援の力によってサヨナラヒットを打つことができた」と激闘を振り返った。勢いに乗ったチームは2回戦で中央中等を撃破し、3回戦では前橋商と対峙した。5対8で敗れたものの優勝校相手に堂々たる戦いをみせた。
■2年生のスローガンは「飛翔」
今季の高経附は、投打のバランスが取れたチームだ。昨夏を経験した選手が多く残り、経験値を継承している。深谷神牙主将(2年=外野手)は「夏の前橋商戦では、自分が最後のバッターだった。今でもあの悔しさを思い出す。今年の夏は、自分のプレーでチームを勝利に導きたい」と静かな闘志を燃やす。チームは、深谷主将を中心に攻守のキーマン高橋、サウスポーエース武川樹生(2年)、センスあふれるショートストッパー御供雅也(2年)、1年生リードオフマン北村圭悟(内野手)らが力を伸ばす。2年生のスローガンは「飛翔」。すべての力を結集して、大きく羽ばたくことを意味している。選手たちは、夏へ向かって翼を広げていく。