1984年選抜初出場初優勝の伝統校
練習施設を新たに整備し都屈指の環境へ

昨夏の東東京大会でベスト4へ進出した伝統校・岩倉。復活の予感を漂わせるチームは27年ぶりの夏甲子園出場へ闘志をみなぎらせる。

■専用球場に加えて室内練習場も完成

岩倉は、1984年選抜で初出場初優勝の快挙を成し遂げた伝統校だ。1997年夏にも甲子園へ出場した実績を持つ。学校はJR上野駅前だが、練習場は西東京市にある。広大な敷地には専用野球場に加えて、選手寮やトレーニングジムが整備されているが、今春には横11メートル縦42メートルの室内練習場やクラブハウスが新設。サッカーやラクロスの人工芝フィールドも併設された「岩倉スピリット・フィールド」が完成した。都屈指の練習環境となった岩倉は、復活へ士気が高まる。圓浄琥太郎(3年=内野手)は「練習環境が整い、言い訳ができない。結果で感謝を伝えたいと思います」と練習に励む。

■「勝利文化の構築〜守破離〜」

チームを指揮するのは、岩倉OBの豊田浩之監督だ。現役時代は捕手でバッテリー強化に定評があり、巽大介(元巨人)、宮里優吾(ソフトバンク育成)ら多くの選手を育て上げてきた。現在は、佐々木宥耶部長、鬼頭修平コーチ、選抜甲子園V投手で元プロ野球選手の山口重幸氏がスタッフとしてチーム強化に携わる。今年のスローガンは「勝利文化の構築〜守破離〜」。「勝利文化の構築」は過去3年のテーマとなっており、常勝岩倉復活の願いが込められている。今季のサブテーマである「守破離」は、武道・芸道に伝わる思想で基本の型を守り、そこから進化させて自分のスタイルを築いていくことを示す。豊田監督は「基本を身につけた上で、それぞれの形を追求してほしい」と選手を見守る。

■昨夏は5回戦で帝京撃破

昨夏は東東京大会5回戦で帝京に勝利するなどの進撃をみせてベスト4へ進出した。今年のチームの軸となるのは、前チームでもレギュラーとしてプレーした高橋梁主将(3年=内野手)、島﨑裕嵩(3年=内野手)。昨夏の準決勝で敗れた悔しさを知る二人に加えて、圓浄らが雪辱を期す。秋はベスト16進出でシード権を獲得、春もベスト16以上を決めて夏の東東京大会でのシード権を得ている。高橋主将は「昨夏の経験を力に変えて自分たちの代で甲子園へ行きたい」と胸を張る。復活への環境は整った。あとは選手たちがトーナメントを駆け上がるだけだ。

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