第76回春季関東地区高校野球大会決勝レポート
関東強豪を次々と撃破し頂点へ
エース昆野ら個性派軍団が躍動
春季関東大会(5月18〜26日)で白鷗大足利(栃木)が初優勝を飾った。投打に個性派プレーヤーが揃ったチームは、名だたる強豪を次々と撃破して春関東の頂点に立った。
■帝京、常総ら名門に勝利し関東王者へ
白鷗大足利は春季栃木県大会準々決勝で佐野日大、準決勝で国学院栃木、決勝で宇都宮商に勝利して栃木県1位で関東大会へ乗り込んできた。過酷なトーナメントになったが2回戦で前橋商(群馬)に勝利して勢いをつけると、準々決勝で東海大相模(神奈川)、準決勝で帝京(東京)にパワーで勝ち切った。決勝戦では、準々決勝で選抜優勝・健大高崎(群馬)を撃破した常総学院(茨城)と対戦。延長10回タイブレークで5対4のサヨナラ勝利で栄冠をつかんだ。関東王者となった白鷗大足利は、大きな自信を胸に夏の栃木大会へ挑む。
「真っ向勝負」
投打のパワー炸裂し関東初優勝
16年ぶりの夏甲子園へ視界良好
白鷗大足利が投打の迫力を武器に、関東強豪と真っ向勝負。関東名門相手に勝ち上がり、初優勝を成し遂げた。
■エース昆野が152キロをマーク
白鷗大足利の強さは本物だった。春の栃木県大会で佐野日大、国学院栃木の実力校を撃破して栃木1位で群馬開催の関東大会へエントリーした。未知なるチームがベールを脱いだのは初戦となった2回戦・前橋商戦だった。プロ注目の清水大暉を1番・松浦舜らが攻略すると9対2の8回コールドで寄り切った。先発したエース昆野太晴も今秋のドラフト候補。スカウト陣が見守る中で最速152キロをマークし度肝を抜いた。続く準々決勝では神奈川強豪・東海大相模に対して、山口幸大が8回無失点で抑えると、柏崎陽斗への継投で5対0。完封リレーを決めてみせた。
■パワーで関東強豪をねじ伏せた
圧巻だったのは準決勝と決勝だ。準決勝では帝京に対して山口が7回無失点で再び好投すると3対1で勝ち切ってみせた。勢いはもう止まらなかった。決勝戦では常総学院と総力戦に持ち込む。7回表までに1対4と劣勢になったが終盤に同点に追いつくと、延長10回サヨナラ勝利で関東の頂点に立った。投手陣は、昆野、山口のダブルエースに加えて左腕・柏崎のメドが立ったことは夏への大収穫。打撃陣は、春大活躍でドラフト候補へ浮上した松浦、主砲・八角勇羽らパワー全開のフルスイングで強豪をねじ伏せた。関東大会の戦いによって白鷗大足利は夏の栃木大会の「大本命」となった。