

怪我から復帰した不死鳥サウスポー
2024年に自身最多の8勝をマーク
井上温大投手(読売ジャイアンツ)
2020年3月に前橋商を卒業し同春に巨人へ入団した井上温大投手が、前橋市の魅力を発信していく「まえばしPR大使」に選ばれた。プロ5年目の剛腕サウスポーは2024シーズンに自身最多の8勝を挙げるなど大きく成長、昨秋のWBSCプレミア12で初の侍ジャパンに選出された。前橋市出身の井上は、自分のプレーと行動で地元のPRに貢献していく。
井上が2024シーズンについにブレイクした。前橋商時代から左の剛腕として知られて最速146キロをマーク。2019年高校3年の夏の群馬大会では気迫あふれるピッチングをみせて決勝へ進出。甲子園には届かなかったが、スタンドには多くのスカウト陣が詰めかけて進化を見守った。同年秋のドラフト会議で巨人が4位で指名し、井上とチームメイトらが待っていた学校視聴覚室は一斉に沸いた。井上は「前橋商で学んだことをプロで活かして活躍したい」とプロの世界へ飛び込んだ。
プロでは苦難が続いた。2年目の2021年に左肘を手術して2022年は育成契約でスタートした。怪我から復帰した同年夏に2軍で結果を残すと再び支配下登録。その秋にプロ初勝利を挙げた。2023年は飛躍が期待されながらもコンディションが整わずに未勝利。2024シーズンは井上にとっても勝負の年だった。7月には敷島球場開催の中日戦に地元凱旋登板で先発し勝利を飾った。自己最多の8勝をマークして、クライマックスシリーズでの先発も任された。シーズン後にはWBSCプレミア12メンバーとして初の日本代表に選出された。
プロ5年目で才能を開花させた井上だが、毎年のシーズンオフには母校・前橋商のグラウンドで黙々と自主トレに励む姿があった。左肘の負傷の影響で、いつ契約満了になってもおかしくない状況でも逆境に負けずに復活を遂げた。井上は「まえばしPR大使」任命決定後に、母校・前橋商で講演を行い、後輩たちにエールを送った。
2024シーズンに飛躍を遂げた井上だが、ここはゴールではなくスタート。巨人のエースを目指すとともに「まえばしPR大使」として地域に勇気を届けていく。

