1976年夏甲子園初出場初優勝の伝統校
昨夏ベスト8を土台にして西東京の頂点へ

甲子園全国制覇の実績を持つ伝統校・桜美林。部員全員が横一線で切磋琢磨するチームは2002年夏以来、23年ぶりの甲子園を狙っていく。

■昨夏は一戦一戦で進化した姿

 桜美林は春6回、夏4回の甲子園出場経験を持ち、1976年には夏甲子園初出場で初優勝の快挙を成し遂げている。2022年夏以降の7大会で4度のベスト8、1度のベスト16。コンスタントに準々決勝まで駒を進め、甲子園チケットに手が届く場所まで到達している。昨夏は実力校がずらりと並ぶブロックに入りながらも、3回戦で日野に1対4の劣勢から8対4の大逆転勝利。4回戦では3投手の継投で工学院大附に3対1で守り勝ち、5回戦では2対6の苦境から同点に追いつくと、7対6のサヨナラ勝利でベスト8進出を決めた。準々決勝では日大二に屈したが、一戦一戦で進化した姿をみせた。夏のドラマはまさに感動的だった。

■首都大学リーグ優勝指揮官

 昨夏大会で熟練の選手起用をみせた津野裕幸監督は、桜美林卒業後に社会人シダックスでプレー。現役引退後の2002年から母校・桜美林職員となり、高校コーチを経て2011年から桜美林大助監督。2013年から監督を務め、2016年秋に首都大学リーグで初優勝、明治神宮大会では準優勝となった。2023年秋から高校監督を任されると、夏初陣の昨年の西東京大会でベスト8まで駆け上がった。津野監督は「生徒たちは甲子園で勝つことが目標とはっきりと口にしている。それが一番の成長だと思う」と語る。

■甲子園は夢ではなく現実目標

2025年のチームは、増田篤暉主将(2年=内野手)、沼田優杜(2年=投手)ら昨夏の主力が中心となって牽引していく。秋大会は8対6とリードしながら9回裏を迎えたが、まさかの3失点でサヨナラ負け。再起を誓うチームは、町田陽紀(2年=外野手)、本間雅人(2年=外野手)、宇佐美翔大(2年=内野手)が4番争いを演じるほか、各ポジションで競争が勃発。投手陣は、制球派右腕・松田空悟(2年)が信頼を得て春のエースに名乗りを挙げる。冬のテーマは「強く大きく」。甲子園を目指すチームは、シード基準のフィジカルを構築し強くなっていく。増田主将は「去年の3年生が残してくれたものを土台にして、さらに上へ行きたい。部員全員で支え合うことで逆境に負けないチームになっていく」と夏を見据える。チームは桜の時期を経て、さらに強くなる。甲子園は夢ではなく現実目標だ。

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