
トップダウンからボトムアップへチーム改革
選手主体のマネジメントで目指す8強突破
昨秋、今春の県大会で2季連続ベスト8入りを果たした矢板中央。選手たちは、夏のベスト8以上をめざして、たおやかな姿の高原山を望むグラウンドで熱のこもった練習を重ねている。(取材・永島一顕)
■「自分たちで練習を考えたい」
2014年春準優勝、2016年春夏ベスト4の実績を持つ県北の雄・矢板中央。今年のチームがスタートを切った昨夏、選手たちは「自分たちで(練習などのマネジメントを)やらせてほしい」と土屋弘監督に願い出た。その思いを汲んだ指揮官は、選手たちの自主性、主体性を最優先し、従来のトップダウン方式ではなく要所で助言する形で練習を重ねることにした。郡司祥直主将(3年=投手)が「個人の能力が決して高いわけではない」と表現するチームは、選手主導で野球に取り組む道を選び、昨秋の県大会で栃木商、足利大附を撃破、ベスト8まで進出した。準々決勝・文星芸大附戦は1対4で敗れたものの最後まで食らいついた。
■妥協なき姿勢で切磋琢磨
新チーム初の公式戦で手応えを感じたものの、その後はチームが停滞したという。新チーム始動時に選手たち自身で決めたことが実行できない状態が続いていたという。この状態に痺れを切らしたのは、選手たち自身だった。自分たちでやると決めたのに、このままでいいのか。1月以降の練習では、お互いが積極的に意見を出し合うことを心掛け、時に言い争いになりながらも妥協なき姿勢でチーム力を高めてきた。困難を乗り越えて迎えた春県大会では、2回戦・栃木商戦でコールド勝利、3回戦は茂木に5対0の完封勝利を収め、自信を膨らませた。しかし、準々決勝・作新学院戦では歯が立たず1対9のコールド負けとなった。
■新チーム始動時の原点に戻って
ベスト8の壁を突破するには、作新学院レベルのチームに勝ち切る必要がある。エースとして主将としてチームを牽引する郡司主将は「自信を持って投げ込んだ球が全く通用しなかった。相手の機動力も止められずに(甲子園レベルの)プレーを間近で見て守備の大切さを改めて実感させられた」と作新学院戦を回想する。春の敗戦では、多くの課題が浮き彫りになった一方、チームにとっては収穫もあった。夏に懸けるチームはエース郡司主将と前澤駿大(3年)の2枚が安定。打撃陣は清水風道(3年=外野手)、森優人(3年=内野手)、市村勝也(3年=捕手)が力強い打球を飛ばしチームを活気付ける。「みんなが本気で野球をやりに来ている。新チーム始動時の気持ちに戻って、自分たちの野球を追求していきたい」(郡司主将)。自分たちの道を正解にするために、夏に挑む。