2022年春の宇都宮中央女子共学化で誕生
2024年夏に単独チームとして「夏初勝利」

2022年野球部創部の宇都宮中央が2024年夏に単独チームとして「夏初勝利」を挙げた。創部4年目に向かうチームは、選手たちの力で新たな伝統を築いていく。

■1期生の努力によって土台が完成

新たな歴史が“更新”されている。宇都宮中央は、1928年創立の伝統校・宇都宮中央女子が高校再編計画によって2022年から男女共学化となり「宇都宮中央」となった。新生・野球部は、宇都宮高出身で前任地・宇都宮白楊を指揮した板倉遼太監督が、初代指揮官としてチームを任された。1年目の部員は選手3人、マネージャー3人。当時はまだグラウンドが改修中(2023年春完成)で練習環境も整っていなかったが、1期生たちは本気で野球に向き合い土台を作った。板倉監督は「道具も揃っていない中で1期生がひたむきに努力してくれたことが今につながっています」と振り返る。

■周囲への感謝を忘れない

スローガンは「一燈照隅」。野球部の人数は少なくても、一人ひとりが役割を果たすことで、大きな力になるという意味が込められている。チームを構築しているのは板倉監督だ。少人数のため出来る練習は限られているが、規律と強度を維持して、野球部の新たな伝統を生徒と共に築いてきた。2期生は選手4人、マネージャー1人。2023年までは連合チームで大会にエントリーしていたが、2024年春に1年生の選手6人、マネージャー1人が加入。同春から単独チームで出場可能となった。春大会初戦の2回戦で単独チーム初勝利を挙げると夏大会では1回戦でさくら清修に勝利し、創部3年目、単独チーム1年目で「夏初勝利」を挙げた。夏勝利に貢献した大木翔(2年=内野手)は「単独での夏初勝利はうれしかった。連合で一緒に戦ったチームや合同練習をしてくれたチームへの恩を忘れてはいけないと思いました」と感謝の気持ちを示す。

■夏初勝利で高まるチームの価値

宇都宮中央女子時代から県下屈指の人気進学校のため野球部の人数が一気に拡大するわけではないが、チームの価値は高まっている。2024年春に入学した小池悠太(1年)は、中学時代に軟式県準優勝を果たしたチームの注目キャッチャー。私学強豪からの誘いもあったが、宇都宮中央の門を叩いた。小池は「1年生から試合で経験を積めることや、自分たちでチームを強くしていけるところに魅力を感じました」と、宇都宮中央入学の理由を話す。夏2勝目を目指すチームは、中村直太郎(2年=内野手)と大木のダブル主将体制。両主将は「連合時代に学んだことが今に活きています。試合ができることへの感謝を忘れずに全力で戦っていきたい」と団結する。創部4年目に向かうチームは、さらなる情熱で唯一無二の歴史を作っていく。

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