今春予選敗退からの“再出発”
春から夏へ進化を遂げたチーム

(2025年7月20日号掲載)

 鎌倉学園が、今夏の神奈川大会にすべてをぶつけていく。春予選敗退から約3カ月。選手たちは切磋琢磨しながら苦境を乗り越えてきた。その成長の証をトーナメントに刻んでいく。

■“あと1アウト”の先にあった敗戦

今春は、まさかの予選敗退となった。予選ブロックは鎌倉学園、藤嶺藤沢、アレセイア湘南の3チーム。1位が県大会出場で、2位は他ブロックとの代表決定戦へ臨む方式だった。鎌倉学園は初戦の藤嶺藤沢に3対6で敗れると2位通過を懸けてアレセイア湘南戦へ向かった。ゲームは両軍が得点を奪い合うシーソーゲーム。20対18で迎えた9回裏には勝利まであと1アウトに迫ったが、ミス絡みで同点に追いつかれると延長タイブレークとなり20対21で敗れた。ブロック2敗での地区予選敗退に呆然とする選手たち。飯島大樹主将(3年=外野手)は「勝利が見えていた中で27個目のアウトが取れずに悔しい結果になった」と振り返る。

■甘さを排除して夏へ向かう

チームは試合後にミーティングを実施し、全員で敗戦を受け止めた。予選が3チームブロックという難しいシチュエーションだったが、それを言い訳にはしなかった。竹内智一監督は「予選の組み分けや対戦相手の問題ではなく、自分たちの力が足りなかったから。今年のチームは、力のある選手がいた中で、勝たせてあげられなかったのは自分の力不足でもある。自分たちの甘さを排除して夏へ向かっていこう」と語り、夏へ向けて再起動を図った。テーマは「徹底」。4月以降の練習ではミスを看過せずに、出来るまで何度も繰り返した。5月中旬には、3年生の一部がサポート役となり、メンバー組を支えた。飯島主将は「支えてくれる仲間のためにも悔いのない戦いを見せたい」と夏開幕を待つ。

■2023年夏の勝利を再現していく

鎌倉学園が春予選で敗退したのは2年ぶりで、今年の3年生の入学直前だった。2023年春に予選敗退したチームは、その夏の初戦で横浜商大と対戦。横浜商大有利の下馬評だったが、選手たちは闘志みなぎるプレーをみせて8対4で競り勝ち、勝ちどきを挙げた。指揮官は今年の選手たちに、2023年の出来事を伝えて、チームを鼓舞したという。夏を前にして選手たちも士気を高める。エース足達晶斗(3年)が「これまでの結果を取り返すピッチングを見せたい」と話せば、小林大記副将(3年=内野手)は「支えてくれた人たちに勝利という結果で恩返ししたい」とフルスイングを誓う。脚下照顧(きゃっかしょうこ)。選手たちは自分自身の足元を見つめ、己に勝つ。鎌倉学園の熱く、長い夏が始まろうとしている。

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