【栃木 野球部】「300日の挑戦」 #栃木

県内屈指の伝統を誇る進学校
チーム一丸で2022年春・夏へ

戦前、春夏甲子園に各1回出場している栃木は県内屈指の伝統を誇る進学校。1、2年生各9人の計18人が専用グラウンドで練習に励み、長らく遠ざかる夢の舞台への切符獲得を目指している。(取材・永島一顕)

■悔しさだけが残った昨秋

昨年の秋大会では、悔しさだけが残ったという。初戦の矢板戦、初回に先制しながら逆転を許し、最後は2対3の1点差で敗れた。新たなメンバーで臨んだ新チームにとって、コロナ禍により大会前の練習試合ができなかったことが大きく影響した。金子悠斗主将(2年=外野手)は「精神的にも大変だった。矢板戦は一番緊張した。みんなの動きが堅く凡ミスが出て、立ち直れずに終わってしまった」と心情を明かした。金子主将はセンターからゲームを見ていたがチームメートの姿からは実戦不足が如実に表れていたという。「リラックスできるような声かけなど、もっとできることがあったと思う」と自分の役割を果たし切れなかったことも悔いた。秋敗戦は、チームの新たなスタートとなった。

■「自分たちもやれる」の思い膨らむ

悔しさだけが残った昨秋ではあったが、試合に向けてベストを尽くした選手たち。彼らは、短い準備期間でも成長をみせたという。小林真人監督は「個々の伸びが見られ予想以上にやれると感じた。体力的には前チームに引けを取らない」と確かな手応えを感じていた。新チームの成長度合いの早さには指揮官も感心する。

前チームは昨夏の県大会2回戦で、10連覇した作新学院と対戦。結果的には2対8で敗れたが、6回まで2対2というゲームをみせた。1、2年生たちはその試合を、固唾をのんで見守った。小林監督は「3年生たちの戦いぶりが刺激になっている。『自分たちもしっかりと戦える』との思いが確固たるものとなったのでは」と話す。

 

■「300日の挑戦」の下、日々練習

今季のチームには、経験値の少ない投手陣の整備、攻撃ではミート率の向上など昨秋の戦いから課題も見えた。秋季県大会で敗れた日は、今夏の選手権栃木大会開幕までちょうど300日だったことから、「300日の挑戦」との意識の下、今冬は18人が一丸となり課題克服のために日々の練習に臨んでいる。金子主将は「監督からは『高校野球に絶対はない。どのチームにも可能性がある』と言われた。シーズンオフにはしっかりと心身強化に取り組み、強豪相手でもひるまずに戦えるチームにしていきたい」と闘志を秘める。

目標の「夏季大会ベスト4以上」に向けて、栃木の選手たちは今、夢舞台をつかむためのエネルギーをしっかりと蓄えている。

 

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