新チーム実戦レポート 【樹徳】

昨夏に30年ぶり3度目の甲子園
新チームはエース北爪が投打の軸

2022年夏に30年ぶり3度目の甲子園出場を果たした樹徳。今夏は準決勝で前橋商に屈したが、夏の悔しさを知る新チームの選手たちが今秋、「王座奪還」を目指して始動した。

■群馬高校野球界に風穴

樹徳は2022年夏に、準々決勝で前橋育英、準決勝で桐生第一、決勝で健大高崎に勝利して30年ぶりに甲子園切符をつかんだ。エース亀井颯玖(現・日大)が力投すると、打撃陣がリスクを恐れずにアグレッシブなバッティングをみせて上州の頂点に立った。群馬大会は前橋育英と健大高崎の2強時代が続いていたが、群馬高校野球界に風穴を開けた。それは伝統校復活の狼煙となった。今夏もエース清水麻成(3年=引退)を軸に昨夏に匹敵するチームに仕上がったが、準決勝で前橋商に敗れてベスト4。樹徳に勝利した前橋商は、群馬大会を制する結果となった。樹徳にとって今夏も甲子園までの道は、紙一重だった。

■投打のポテンシャルが武器

今秋の新生・樹徳は、投打のポテンシャルの高いチームだ。攻守に堅実なプレーをみせる園田寛汰が主将となり新チームは始動。チームの軸は、身長185センチの大型右腕・北爪優悟。最速135キロのストレートとブレーキのかかるスライダーで打者と対峙、ピンチではギアを上げて三振を奪っていく。また左腕・山洞快生もテンポ良い投球でゲームを作っていく。打線は、清水光汰朗、須田陽翔の1・2番がスイッチ役となり、3番・河内亮陽、4番・北爪、5番・阿久津真吾の重量級クリーンアップが勝負強い打撃で得点に絡んでいく。控えには、130キロ中盤の直球を投げ込む小暮大蔵、抜群のグラブさばきをみせる武藤寛人ら気鋭の1年生も控えている。チームとしての伸び代は十分だ。

■右腕・北爪、左腕・山洞のダブルエース

秋1回戦・館林商工戦では、攻撃的な2番・須田らがチャンスを演出すると、3番・河内のタイムリーなどで序盤から得点を積み上げてリードを広げる。投げてはエース北爪が立ち上がりこそやや不安定だったが、巧みな牽制で相手の攻撃の芽を摘むと上々のピッチングで4回無失点、5回からは左腕・山洞、終盤には小暮につないで完封リレー。秋の初陣を6対0で勝ち切った。「2学年上の先輩が甲子園へ連れていってくれたので、僕たちも甲子園を目指して戦っていきたい」(北爪)。井達誠監督は「一戦一戦を勝ち上がっていきたい」と語った。

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