【日大豊山 野球部】「ゼロ」  #日大豊山

秋予選敗退がチームを変えた
「強いチーム」になるための意識改革

2019年夏ベスト4進出などの実績を残す名門・日大豊山。昨夏も5回戦へ進出したチームだが、新チームは秋予選敗退というスタートとなった。敗戦を受け止めたチームはゼロからの出直しを図った。

■秋は予選で城東に惜敗

夏のチームは、大型左腕・玉井皓一朗(3年)らを擁して5回戦まで進出した。新チームは、前チームから不動の捕手・狩野光晴(2年)を軸に選抜を狙うはずだった。しかし、狩野が負傷で戦線離脱となり構想が狂った。その上で一次予選初戦の相手が都立実力校・城東に決まった。前チームが夏4回戦で城東に8対4で勝利していた上に、新チーム立ち上げ直後の練習試合では好勝負ができていた。自信が過信になった部分も否めないが、新生・日大豊山は3対4で城東に惜敗した。

エース布施蒼生(2年)は「チームとして細かいミスが重なってしまった。すべてが実力不足でした」と振り返る。主力のケガ、準備不足・・・いくつかの要因が重なり、チームは予選敗退となった。

■テーマは「心と体の強化」

日大豊山は近年、チームスタイル、練習環境、雰囲気などが評価され多くの部員が門を叩く。選手の質は間違いなく上がっているが、突き抜けた結果につなげることができていない。2017年春から指揮を執る福島直也監督は「能力はあっても試合で発揮することができないのは、精神的な弱さ。秋予選初戦で負けてしまったのも、勝つチームではなかったから。チーム全体を見直す良い機会になった」と話す。この冬のテーマは、「心と体の強化」。練習強度を高めていくと同時に、食トレによってさらなるウエイトアップを図った。指揮官は「甲子園に行くためにはエンジン自体を大きくすることが必要。心と体を鍛えて強い豊山をみせていきたい」と冬のメニューを一新した。

■心技体の改革を実行

予選敗退後にすべてをリセットしたチームだが、秋の練習試合を経て春・夏への完成形が少しずつ見えてきた。打撃は、髙橋啓斗主将(2年=外野手)、狩野、市沢怜(2年=三塁手)のクリーンアップが軸。投手陣は、エース布施のほか、左腕・福浦与風(2年)らが安定したピッチングをみせる。今季のチームは守備力、機動力も備えるため、戦術の幅は広がる。秋予選敗退となったチームは、貪欲に勝利を追求する。福島監督は「まだまだ未完成だが可能性は感じる。あとは選手が本気になれるか」と見守る。市沢が「自分たちは秋予選敗退なので一番下からのスタート。春・夏は先を見ずに一戦一戦を戦っていく」と話せば、髙橋主将は「ハングリーな気持ちで戦って、夏のてっぺん(頂点)に立ちたい」と闘志を燃やす。ゼロからリスタートを図ったチームが春・夏にどんな結果を導くか。選手たちは、豊山と自身のプライドをかけて戦いへ挑む。

 

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