今夏ベスト16も悔しさ残る敗戦
「ニチガク」の名を刻むべく闘志を燃やす
日本学園は、明治大との系列連携によって2026年度に学校名が「明大世田谷」になることが決まっている。選手たちは、伝統校「日本学園」の名を高校野球史に刻むべく、鍛錬を積んでいく。
■高いレベルを目指す覚悟
練習場には、活気ある声が響いていた。これまでのチームも雰囲気は良かったが、今年はお互いに要求する声、叱咤激励の声が飛び交い、高いレベルを目指す覚悟が感じられている。日本学園は、明治大との提携によって4年後に「明大世田谷」となる。日本学園として戦えるのは、あと3年。選手たちは、気持ちを引き締めてグラウンドに立っている。今夏は、2回戦で小平、3回戦で立川、4回戦で都市大等々力に勝利して5回戦・国士舘戦へ。ベスト8進出をかけて真っ向勝負したが、力で押し切られて0対10の5回コールドで屈した。新チームを牽引する川上響主将(2年=外野手)は「コールド負けは悔しかった。先輩たちのためにも、僕たちが勝ち上がっていきたい」と、気持ち新たに始動した。
■8月上旬に千葉で強化合宿
日本学園は8月1〜5日に千葉・銚子で強化合宿を実施した。2020年春のコロナ禍以降、宿泊合宿は実行できていなかったが、3年ぶりの遠征が実現した。今年の選手たちにとっては、もちろん入学以来、初めての集団生活となった。初日は礼儀やあいさつなどの徹底から始まり、本格的な強化に突入。練習試合と紅白戦を繰り返して、実戦経験を積んでいった。そして夜は、各自が課題を克服するために自主練習に励んだという。日本学園は、毎年ダブル主将制度を採用しているが、新チームは川上主将と腰原楓大主将(2年=内野手)、芳賀憲伸副将(2年=内野手)の体制。腰原主将は「最初は声がぜんぜん出なかったが、合宿中に声が出せるようになっていった。それまでは個人で戦っていたように感じたが、チームとして戦えるようになった」と変化を話した。
■声がチームを変えていく
チームは打線のつながりで勝負していく。1番・芳賀副将、3番・石井健陽(2年=外野手)、4番・川上主将、6番・腰原主将が得点機を演出していく。投手陣は多彩だが、制球力と投球術を備えた実戦派左腕・武田啓吾(1年)、身長187センチの大型右腕・古川遼(1年)が中心になる。課題だった守備も、ショート向田凌(2年)らが力を伸ばして、チーム全体の守備力も高まっている。川上主将は「みんなが声を出すことでチーム全体の意識が変わってきた。ベスト16で満足することなく、上を狙っていきたい。僕らが甲子園に行くことで『日本学園』の校名を高校野球の歴史に残したい」と気持ちを込める。本気になった選手たちは、チームの変化を結果へつなげていく。