脅威のクリーンアップを軸に上州制覇へ
ベテラン指揮官がまとめるポテンシャル軍団
各大会でアグレッシブな戦いを演じる東毛のダークホース常磐。今季のチームはプロ注目プレーヤーなど地力ある選手たちが揃う。東毛の若獅子が覚醒するときは近づいている。
■19年秋、20年夏ベスト8の実績
2019年秋、2020年夏ベスト8などの実績を持つ常磐。近年、トーナメントで敗れた相手は、健大高崎、桐生第一、樹徳など強豪がほとんど。上位校の壁を打ち破れば、甲子園が見えてくる。チームを指揮する金子繁監督は、太田市商(現市立太田)、太田工で30年間にわたり指導、春優勝1回、秋優勝2回、夏は準優勝4回の実績を持つ。プロ選手3人を育てた手腕を誇り、太田市商時代の1996年には選抜甲子園出場を果たした。県教員定年の区切りを機に常磐から声が掛かり2017年秋から指揮を執る。就任から6年目、チームは安定、いよいよ上を狙う準備が整ってきた。
■2年生は期待の最強世代
今季の主軸となる2年生は、金子監督が手塩にかけて育ててきた有望選手たちが揃う。寺西陸主将(2年=外野手)、エース永島健太郎(2年)、神崎秀朋(2年=捕手・内野手)、金井拓磨(2年=内野手)ら県屈指のポテンシャルを秘めた若武者たちが順調に成長を遂げている。寺西主将は、キャプテンとしての責任感をプラスに変えてスケールアップ。本格派右腕のエース永島は最速136キロをマークするなど球威、キレが増す。このチームの看板は、神崎と金井の両スラッガー。神崎はしなやかなフィジカルから鋭い打球を放ち、飛距離が増す。金井は、フィジカルが仕上がってきたことで本塁打量産体制に入った。潜在能力は常磐史上最強だ。
■練習試合で3者連続ホームランの破壊力
秋季県大会は、攻守の歯車が噛み合わずに1回戦で樹徳に敗れた。再起を誓うチームは、秋季県大会後に著しい進化を遂げている。10月中の県内練習試合では、2番・神崎、3番・寺西主将、4番・金井が3者連続ホームランを放つなど破壊力をみせた。神崎はセンターへ推定110メートル弾を放ち、相手を驚かせた。練習でも柵越えを連発する神崎に対しては、プロ数球団のスカウトが定期的にチェックに来るなど評価を一気に高めている。2年生のほかにも、飯野煌(内野手)、渡辺倖(外野手)ら1年生も力を伸ばし、チーム競争は激化。11月中は激しいポジション争いが展開された。「春、夏は格上の相手を倒すことで、チームとして、個人として価値を高めたい。結果にこだわって戦っていく」(神崎)。2023年、眠れる獅子・常磐がついに目を覚ます。