【駒場学園】  「全員野球」

今夏の西東京大会でベスト16進出
チーム改革3年目、飛躍シーズンへ

 今夏の西東京大会でベスト16進出を果たした駒場学園。夏の躍進を糧に始動した新チームは、先輩たちを超えるべく全員野球を追求していく。

■東海大菅生を追い詰めた戦い

 2022年夏の西東京大会5回戦。駒場学園対東海大菅生戦は、大会ベストゲームの一つだった。駒場学園の左腕エース佐藤夏月が好投をみせて東海大菅生相手に一歩も引かない戦いを演じていく。佐藤は3回に2失点したものの、追加点を許さずにゲームは0対2で9回へ。9回表、駒場学園は1点を返して、なおも同点、逆転のチャンスを迎えたが、追いつくことができずに惜敗した。東海大菅生を土俵際まで追い詰めたが金星を挙げることはできなかった。新チームは、夏を経験した髙井朝陽主将(2年=外野手)、成田勇海(2年=内野手)、尾下大将(2年=投手)らがそのまま残ったのが強み。夏を超えるべく士気高くスタートを切った。

■スローガンは「全員野球」  

駒場学園は近年、再び地力を高めている。2006年夏ベスト4、2009年夏ベスト8、2014年夏ベスト8の実績があるチームだが、過去3年は結果が出ない時間が続いていた。木村泰雄監督は、久住草太助監督、二藤部太朗責任教師、國澤智弥教諭と共に「全員野球」を掲げてチーム改革を実践。この夏の5回戦進出につなげた。木村監督は「スタメンだけが強くなっても意味がありません。全員で戦っていくことが大切。夏は5回戦に進出したが、連戦となった4回戦で佐藤夏月を温存できたことが、菅生戦の好ゲームにつながっていった」と語る。東海大菅生戦のスタンドは、野球部員のほか、アメフト部、チアリーディング部が応援に来ていたが、スタンドを含めた学校全体の「全員野球」が選手の背中を押したのだった。

■惜しい試合ではなく勝つ試合  

新チームは秋季都大会の予選を突破し、1回戦で都立強豪・日野と対戦した。競り合いの展開で7回まで5対4とリードしたが、8回に同点に追いつかれて勝負は延長戦へ。我慢比べとなった状況で10回裏に力尽きてサヨナラ負け。悔しい結果となった。エース尾下は「チームとして最後に集中力が欠けてしまった」と振り返る。夏、秋に1点差での惜敗。周囲からは「頑張った」「良くやった」の声が掛かったが、選手たちは納得できなかった。髙井主将は「惜しい試合ではなく勝つ試合をしなければいけない。絶対に勝つという強い気持ちで練習に取り組んでいく」と雪辱を期す。好ゲームでは満足できない。駒場学園は、選手全員がそれぞれの限界を突破することで壁を突き破っていく。

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