【朋優学院】 「挑戦」

部員全員が主役の「自分たちの野球部」

 優れた進学実績を誇る朋優学院は、2021年4月から新たな体制で野球部の価値を上げている。朋優学院は自分たちのスタイルで高校野球に向き合い、成長していく。

■失敗を恐れずにチャレンジ  

選手たちのワクワク感がダイレクトに伝わってくるチームだ。朋優学院は2001年の共学化に伴い、野球部が誕生した。創部23年のチームだがベスト8・1回、ベスト16・3回という確かな実績を残している。近年は、学校の進学実績が著しく高まり、学校全体の活力が野球部にも好影響を与える。チームは2021年春から、湯原貴博監督が指揮を執る。明学東村山でエースとして活躍して国学院大へ。大学卒業後に一般企業に就職しながら、縁あって朋優学院を外部から指導。26歳で教員となり、コーチを経て、一昨年春に監督となった。チームスローガンは「挑戦」。指揮官は「失敗を恐れることなく、チャレンジしてほしい」と情熱を注ぐ。

■応援されるチーム、選手になる  

2021年春時点での選手はわずか7人。朋優学院は校内のテニスコートほどの大きさのグラウンドと“隙間スペース”を利用しての練習。「球場がなくても野球はできますが、選手がいなければ野球はできない」(湯原監督)。ゼロからの再出発となったが、新たな野球部には多くの選手たちが集まり、いまや3学年で約40人の大所帯となった。練習は決して甘いものではないが、2021年春以降の選手は誰も辞めていないという。中島感副将(3年=外野手)は「朋優学院は自分たちで主体的に行動していくチーム。レギュラー、控えに関係なく、全員が成長していくことができる」と練習に打ち込む。部員たちの役割は、学校内に一人でも多くの野球部ファンを作ること。応援されるチーム、選手になることがチーム強化の第一歩だ。

■SNSやYouTubeを活用して情報発信  

地力は、確実についている。山田龍永主将(3年=二塁手)が旗手役となるチームは、主砲・原田一優(3年=内野手)、投打のキーマン森﨑雄貴(3年)らが主軸となり、どんな相手でも真っ向勝負していく。昨秋は一次予選決勝で日野に2対3の惜敗、今春の予選は錦城に1対2で敗れた。本大会出場を実現することはできなかったが、実力校相手に一歩も引かない戦いをみせたことはチームにとっての大きな収穫。山田主将は「惜しい試合ではなく勝つ試合をみせたい。甘い部分を突き詰めていって、野球部史上最高の結果を出したい」と気持ちを込める。朋優学院は2021年からSNSやYouTubeを活用して積極的な情報発信を続けている。今夏、選手の躍動とチームの躍進を告げるツイートや動画が発信されるかもしれない。

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