9年ぶりの甲子園へスタンバイ
「投手王国」夏のニッツル
夏3度の甲子園出場を誇る“夏”の日大鶴ヶ丘。夏に向けて力を蓄えるチームは、乱戦が予想される今年の西東京大会へ乗り込んでいく。9年ぶりの甲子園は決して遠くはない。
■虎視眈々と甲子園を狙う
夏に向けてスイッチは入った。夏が近づくにつれてチーム力が高まり、選手たちの士気は上がっていく。日大鶴ヶ丘の練習場には熱気があふれ、萩生田博美監督が放つ魂のノックに選手たちが食らいついていく。甘い部分があれば選手同士で要求し合って、高みを目指す。そこに妥協はない。チームは2014年夏の西東京大会を制して甲子園へ出場。2018年にも、甲子園まであと1勝に迫る準優勝となっている。個性あふれる選手たちが集うチームは、野心がみなぎり、選手たちの気持ちが一つになることで成熟していく。今年のチームも、虎視眈々と甲子園を狙っている。
■投手起用のプランニング
自慢の投手陣は、今年も魅力的だ。2018年にはエース勝又温史が高卒で横浜DeNAからドラフト4位で指名された。さらに2017年のエース赤星優志(日大)が2021年にドラフト3位指名で巨人へ入団しているが、投手王国ぶりは今年も健在。ポテンシャル高い本格派サウスポー佐々木大雅(3年)、右スリークォーターから140キロ超のストレートを投げ込む比江島幹(3年)、さらにサウスポーの田中優良(2年)、実戦派サウスポー住日翔夢(1年)が夏のマウンドを狙う。萩生田監督は「今年の夏は、ノーシードからのエントリーになるので7試合(最大8試合)の起用プランニングが重要になる。ピッチャーのコンディションを合わせながら勝ち上がっていく力が求められている」と夏への準備を進めている。
■経験豊富なバッターがキーマン
打撃陣がピッチャーを援護射撃できるか。今年のバッターは、前チームからレギュラーとして出場していた木嶋康太(3年=外野手)、後藤健大(3年=外野手)、高見澤晴翔主将(3年=二塁手)ら経験豊富な選手が並ぶ。長打力と勝負強さと気迫がインストールされた打者たちが、勝負所で快音を響かせていく。今年は、高見澤がチームキャプテンとなり、元気玉・木嶋がチームキャプテンとしてフィールドに立つ。彼らのバッティングとムードメイクが躍進の鍵となる。打線がつながれば、シード勢を一気に飲み込むパワーを秘める。木嶋が「どんな相手でも気持ちで負けずに勝負していく」と話せば、高見澤主将は「チームの力は高まっているので自信を持って夏へ向かう。ミスがあっても下を向かずに強気に戦っていく」と力を込める。9年ぶりの甲子園へ、情熱は無限だ。