昨夏の栃木大会で旋風起こして準優勝
打撃破壊で目指す18年ぶりの夏甲子園
春夏通算7度甲子園出場を誇る伝統校・宇都宮南。昨夏に大旋風を起こし準優勝となったチームは、今年も栃木大会のダークホースとなる。
■昨夏は大逆転劇で準優勝
昨夏の快進撃が今も脳裏にはっきりと浮かんでくる。伝統校・宇都宮南は準々決勝・青藍泰斗戦では初回に一挙6点を奪う猛攻をみせるとそのまま逃げ切って10対7で勝利してベスト4へ進出。準決勝・佐野日大では5回表までに2対5とリードを許したが、5回裏に4点を奪って逆転すると、6回裏にも一挙6点を加えて私学強豪を12対5の7回コールドで寄り切った。甲子園まであと1勝。期待は高まったが、決勝・国学院栃木戦ではゲーム序盤に3対2とリードしながらも中盤に追いつかれ、最後はじわじわと点差を離されて4対8で惜敗。殊勲の準優勝で夏を終えた。
■投打のポテンシャルが開花
今年の宇都宮南は、先輩たちの好結果を受けて始動した。塩濱颯人主将(3年=内野手)を軸とする選手たちは、先輩たちが共有していた「打倒私立」のスローガンを継続し、その先にある甲子園を目指して新たなスタートを切った。昨秋は3回戦で文星芸大附に2対9で敗戦、今春は3回戦で国学院栃木に0対10で敗れた。「打倒私立」を掲げながらも秋・春ともに私学強豪に完敗という結果になった。塩濱主将は「春に国学院栃木に負けて、ムードは一度下がってしまったが、夏へ向けてみんなで切り替えていった」と振り返る。チームは春大会を終えて、投打のポテンシャルが開花。夏へ向けて上昇気流をつかんでいる。
■戦える形ができつつある
今年のチームは、高校通算14本塁打の塩濱主将を筆頭に、クラッチヒッター杉山煌(3年=内野手)・岡田明徒(3年=外野手)、パワーヒッター山越恵作(3年=捕手)らタイプの違うバッターが打線を彩る。投手陣は、最速135キロの小さなエース池田悠希(3年)、緩急を活かしたピッチングをみせる技巧派左腕・添野匡吾(3年)の継投でゲームを組み立てていく。投打の軸が整ってきたことで、チームの歯車がかみ合い出している。勢いに乗ったときの打線は本物。スイッチが入ればどんな相手でも一気に畳み掛ける力を秘める。宇都宮南は、さわやかに、そして勇猛に甲子園へ突き進む。