2021年夏の東東京大会でベスト16
野球小僧たち集まる下町都立、いざ球春へ
2021年夏の東東京大会でベスト16へ進出するなど、確固たる戦果を挙げる小岩。部員数が着々と増える下町のチームは野心を胸に球春を待つ。
■大きな可能性を秘める都立高
着々と実績を伸ばしている下町都立・小岩。2017、2018年夏に4回戦へ進出すると2020年夏には2回戦で下町ライバル修徳を撃破する金星を挙げた。さらに2021年夏には大会3勝を奪って5回戦へ進出。ベスト8入りをかけた激戦・淑徳戦では5対6で惜敗したが堂々のベスト16進出。気迫みなぎる情熱的な戦いは感動を呼んだ。近年の戦いぶりと選手ファーストの練習などが中学生の人気を集め、部員数が右肩上がりになっている。現在の2年生は18人、1年生は25人(いずれもマネージャー含む)。新年度も20人前後の入部が見込まれ、3学年で60人を越すチームになる可能性が高い。土台が築かれつつあるチームは大きな可能性を秘める。
■2023シーズンの3大会は勝利なし
チームとして着実に進化しているが、2023シーズンの3大会は公式戦で勝つことができなかった。春都大会は共栄学園に1対8で敗れて、夏の東東京大会は立正大立正相手に終盤に力尽きて3対12。秋都大会は一次予選で明星に0対4で屈して都大会進出を逃した。就任4年目の茶川剛史監督は「年間を通じて勝てなかったのは就任以来、初めて。3大会ともに私学相手だったが言い訳にはできない。2024年は1勝にこだわって戦っていく」とノックを打ち込む。学校グラウンドが他部活と共有のため、できる練習は限られる。小岩は、守備をベースとした練習を積み上げて小岩野球を追求していく。
■取れるアウトを確実に奪う
2024年は、1・2年生の力を合わせて戦っていく。チームの軸となるのは丸田倖輝主将(2年=捕手)と、堅実なプレーが特長の矢作朋大(2年=内野手)。最速134キロのエース高濱将英(2年)が潜在能力を発揮すればチームの可能性は広がっていく。打撃陣は、吉田桂太朗(1年=内野手)と針貝拓夢(1年=外野手)がクリーンアップに座り、勝負強い打撃をみせる。また、桜井茂寿(1年)、森田涼央(1年)の1年生ピッチャーも力を伸ばす。丸田主将は「冬に取り組んできたことを春予選で発揮していく。チーム力は確実に上がっているので目の前の戦いに集中して『1勝』を目指す。取れるアウトを確実に奪っていく」と春を待つ。小岩の横断幕には「下克上 巻き起こせ小岩旋風!!」と記されている。小岩は、下町から旋風を巻き起こす。