【樹徳】 「PRIDE OF GUNMA」

2022年夏に30年ぶりの甲子園出場
個性あふれるアグレッシブ野球

2022年夏に30年ぶりの甲子園出場を成し遂げた樹徳。あれから1年半、甲子園の残像が残るチームは再び聖地を目指す。

■アグレッシブな攻撃で甲子園へ

2022年夏の記憶は、はっきりと残っている、ノーシードで夏のトーナメントへ挑んだ樹徳は、2回戦で前橋商、3回戦で高崎商大附に勝利してベスト8へ進出。準々決勝では前橋育英、準決勝では桐生第一、決勝では健大高崎を撃破して1992年以来30年ぶり3度目の甲子園出場を決めた。群馬の強豪をすべて倒しての甲子園出場は大きな価値があった。群馬大会6試合をほぼ一人で投げ抜いたエース亀井颯玖の気迫のピッチングは圧巻。また、どんな状況でも果敢に攻めていったアグレッシブな攻撃も魅力的だった。甲子園では初戦で明豊(大分)に屈したが、健大高崎、前橋育英の2強だった群馬高校野球に風穴を開けたことは確かだった。

■甲子園のタスキをつなぐ

OB指揮官・井達誠監督は、自身の現役時代の1991、1992年に2度の甲子園出場を成し遂げている。2022年は、選手の個性を融合させたチームを構築。上州のトーナメントの頂点に立った。そして後輩たちを引き連れて30年ぶりに甲子園の土を踏んだ。井達監督は「自分が現役のときよりも甲子園が綺麗になっていて壮観だった。甲子園という舞台が選手を引き立たせてくれた。もう1度、行きたくなる場所だった」と振り返る。今年の主力となる2年生(新3年生)たちは、1年の夏に甲子園のアルプススタンドで先輩たちの勇姿を見た世代。園田寛汰主将(2年=内野手)は「甲子園の雰囲気は忘れることができない。自分たちの代でも甲子園へ行って、甲子園のタスキをつないでいきたい」と話す。

■投打の二刀流・北爪がキーマン

今季の樹徳の軸となるのは、身長185センチ90キロの大型右腕・北爪優悟(2年)だ。樹徳からは昨秋のドラフト会議で清水麻成(今春卒業)が横浜DeNAから育成2位指名されたが、北爪も素材的には負けない逸材だ。投打の二刀流としてチームを牽引していく北爪は「勝負所で耐えられるピッチャーになりたい。みんなで甲子園へ行って1勝することが目標です」と胸を張る。北爪を大黒柱にして、園田主将、河内亮陽(2年=捕手)、藤生新汰(1年=内野手)ら個性あふれる選手が揃う。秋大会では3回戦で農大二に逆転勝利し準々決勝へ駒を進めたが前橋商に惜敗した。再起を誓うチームは夏に照準を定めて、冬のトレーニングを乗り越えた。樹徳は選手寮がないため全員が県内(一部栃木)の選手。「地域の選手だけでも甲子園へ行けることを示したい」(井逹監督)。樹徳は、群馬のプライドを体現していく。

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