33年ぶりの関東大会出場へ
8度の甲子園出場を誇る伝統校
春夏計8度の甲子園出場を誇る伝統校・農大二が、秋季群馬県大会で準優勝し、1991年以来33年ぶりの関東大会出場を決めた。
■投打のバランス整う期待の世代
1980年代に春1回、夏3回の4度甲子園へ出場するなど、栄光を築き計8度の甲子園出場を果たした古豪だ。甲子園には2009年夏以来届いていないが、力のある選手たちが揃い、各大会で金星を挙げるなど存在感を示してきた。今季の投手陣は、前チームで実績を残した本格派右腕・山田琉聖を軸に、サウスポー蛭川敬介も力を伸ばして進撃の準備が整った。荒井奏遼、宮崎小太郎、小川來皇ら打撃陣もパンチ力を蓄えて秋大会へ挑んだ。初戦となった高崎商戦では荒井が3ランを放つなど打線が爆発して、5回コールド勝利発進で勢いづいた。「つなぐバッティングで役割を果たしたい」(荒井)。一戦ごとに力をつけた農大二は市太田、高崎経済大附を倒してベスト4へ進出した。
■堂々の準優勝で関東大会へ出陣
山場となった準決勝・利根商は、関東大会チケットを懸けた戦いとなった。エース山田が先発し伸びのあるストレートで三振を奪い、イニングを進めていった。4、5回に、半杭奏太、飯塚壮真の適時打などで5点を奪ってゲームの主導権をたぐり寄せた。投打のバランスが取れたチームは、山田から蛭川への継投によって6対2で勝ち切って決勝進出を果たした。決勝・健大高崎では蛭川が先発して勝負に出たが、打線が援護できずに1対5で屈した。群馬の頂点に立つことはできなかったが、堂々の準優勝。33年ぶりの関東大会出場の戦果を得た。OB指揮官の青木一将監督は「一戦一戦に全力で臨み、伝統の重みにふさわしい戦いをみせていきたい」と語った。
チームは県2位で、神奈川開催の関東大会へ出場する。農大二が完全復活を遂げたとき、上州は戦国時代に突入していく。