今秋大会でシード明和県央を撃破
投打のポテンシャルは過去最高、自分たちとの戦い
高崎東が今秋大会で、明和県央に勝利してベスト8へ進出した。選手たちは「Thank you forever」をスローガンに、本気で甲子園を狙っていく。
■選手たちの覚悟は本物か?
高崎東は最近の大会で、実力校相手に好ゲームを演じながらも惜敗が続いていた。昨秋は前橋商に1対4、今春は樹徳に5対6で惜敗。今夏は、シード渋川青翠に8回までスコアレスの戦いを演じたが、9回裏に1点を奪われて涙のサヨナラ負けとなった。夏大会後に始動した新チームは、夏を経験したエース深町旺輝(2年)と関根幹太(2年=捕手)のバッテリーが残り、屋台骨が築かれていた。選手たちは福島悠平主将(2年=遊撃手)を軸に始動ミーティングを実施し、チームの目標を「ベスト4」に設定した。それは過去よりも高いハードルだった。簡単な数値ではない。原嶋進志監督は選手たちの「覚悟」を確認し、新チームはスタートした。
■仲間への感謝を忘れずに
夏休み中は我慢の時間だった。秋大会のシードを決める西毛リーグでは、農大二、高崎商大附、安中総合と競り合いながらも全敗となった。指揮官は選手たちに喝を注入する意味で「目標を下げるべきなのでは?」と問いかけたが、選手たちは譲らなかった。今年のチームはバッテリーを軸に、私学強豪と張り合えるポテンシャルを秘めている。それを実感しているのは選手たち自身。チャレンジせずに時間を過ごせば、後悔だけが待つ。福島主将が何度も鼓舞して、チームはたくましくなっていった。選手同士で決めたスローガンは「Thank you forever」。野球ができるのは当たり前ではない。指導者、保護者、仲間への感謝を忘れずに戦っていくという思いが込められている。
■秋のベスト8は飛躍の序章
秋大会で選手たちは躍動した。1回戦で沼田に11対2で勝利し好発進を切ると、2回戦では高崎北相手に打線が爆発して21対2で快勝した。3回戦の相手は明和県央だった。昨秋の若駒杯(1年生大会)で明和県央に破れているためリベンジの場にもなった。最速138キロのエース深町が力強いピッチングをみせると、打線が勝負所で得点を奪い5対2で勝ち切ってみせた。惜しい試合ではなく、勝ち切ったことにチームの進化が表れていた。チームは準々決勝で利根商に屈してベスト8で秋を終えた。福島主将は「秋3勝でのベスト8は自信となるが、ベスト4には届いていない。今年のチームは力があるので、自分たちに打ち克つことで勝ち上がっていきたい」と来夏を見据える。敵は相手校ではなく自分たち。選手たちは目標を達成するために、自分たち自身と戦っていく。