
2013年西東京準優勝指揮官が異動
「都立の星」が新たな指導体制へ
2013年の西東京大会で日野を準優勝へ導いた嶋田雅之監督が、2024年度末で異動となりチームを離れた。今年度から小平南に赴任している。
■予選敗退後に指揮官から異動報告
3月22日の春季都大会一次予選決勝(第21ブロックA)は、日野対片倉の都立対決となった。都大会出場権を懸けた一戦で、日野は初回にリズムが作れずに6失点。大きなビハインドを背負うゲームスタートとなった。その後は立て直して決死の戦いをみせたものの大量失点が響いて1対8の7回コールド敗戦となった。無念の敗戦後、着替えを終えた選手たちはその場でチームミーティングを実施。そこで嶋田監督が自身の異動を選手たちへ告げた。日野での最後の試合を終えた指揮官は「3月末で異動になることになった」と簡潔に伝えたという。生徒たちは突然の報告に肩を落とした。
■2013年夏は甲子園まで“あと1勝”
嶋田監督は1963年神奈川県生まれ。実家は横浜だったが、桜美林のチームスタイルに憧れて入学。俊足巧打の外野手としてプレーしながら高校野球の原点を学んだ。日本体育大へ進み、卒業後に講師を経て都教員へ。八丈、砂川、小平西を指導し2007年に日野に着任、2008年から指揮を執った。私立と真っ向勝負を演じていくと2009年夏、秋にベスト4へ進出。2013年夏は準々決勝で明大八王子、準決勝で国士舘に勝利して決勝へ進出。決勝では日大三に敗れたものの堂々の準優勝で、都立強豪の呼称「都立の星」に名を連ねるようになった。西東京ではそれ以来、都立は決勝へ辿り着いていない。
■日野高、都立の可能性を示す
日野を率いて17年。嶋田監督は惜しまれながらもチームを離れることになった。「八丈、小平西を経て日野に着任したときは『宝の山』だと思った。日野で甲子園へ行くためにすべての時間を費やし、2013年夏に西東京準優勝を果たすことができた。甲子園には届かなかったが都立の可能性を示すことはできた。すべての代の選手たちと過ごした時間が財産だ」(嶋田監督)。現3年生・金子大地主将は「最後の試合で勝利を届けられなくて申し訳ない気持ち。この夏の結果で嶋田先生に恩返ししたいと思う」と気持ちを込めた。小平南野球部部長に就任した嶋田監督は「これからは(日野は)対戦相手。良い試合をしよう」と日野の教え子たちに声をかけてグラウンドを後にしたという。伝統を継承する日野は、福島靖助監督が監督に就任、佐藤孝哉コーチ、前八王子北監督の内田健太郎コーチらの指導体制となり、遥かなる甲子園を目指す。



