西東京第1シードで4年ぶり聖地へ
スタンド一体の戦いで目指す頂点

西東京大会の第1シード東海大菅生が6月下旬に3年生の引退試合を行い、夏に向けて士気を高めた。春都大会準優勝で西東京のトップシードとなったチームは、2021年夏以来4年ぶりの甲子園を目指してトーナメントを駆け上がっていく。

■6月下旬に3年生の引退試合

東海大菅生は6月下旬に3年生の引退試合となる紅白戦を行った。メンバー外となる3年生と下級生が対戦し、白熱のゲームを繰り広げた。専用球場バックネット裏では吹奏楽部の3年生たちが迫力の応援演奏を展開。外野席では吹奏楽部の下級生が一緒に応援した。一昨年夏、昨年夏は5回戦で敗れて神宮球場で応援演奏を実施することができなかったため、引退試合は応援練習も兼ねていた。メンバー外3年生の集大成となったゲームは夏大会さながらの熱気に包まれた。今夏、応援団長を務める加口隼は「引退試合を終えて気持ち的に区切りとなった。この学年はレギュラー、メンバー外の枠を越えた一体感がある。夏は、威圧感のある応援で選手を後押ししたい」と力を込めた。

■秋初戦敗退からのスタート

近年では2021年夏甲子園、2023年春選抜に出場したチームだが、過去2年の西東京大会ではいずれも5回戦で苦杯をなめている。一昨年は駒大高、昨年は拓大一に敗れて甲子園へのルートを断たれた。新チームで迎えた昨秋都大会では、1回戦で国学院久我山に3対4で屈して初戦敗退となり、出直しを迫られた。「秋は初戦で負けているチーム。必死で練習するしかなかった」(若林弘泰監督)。冬を越えて迎えた春都大会は準々決勝で帝京、準決勝で日大三を撃破して決勝へ進出。決勝では東亜学園に敗れたが、西東京の第1シードを獲得してチームの進化を示した。

■戦力充実、夏仕様へスケールアップ

春季関東大会出場などを経てチームは夏仕様へスケールアップしている。投手陣は、左腕エース上原慎之輔、最速149キロの右の剛腕・藤平寛己、最速148キロの川崎稜太らが揃い、西東京随一のブルペンとなる。上原、川崎が先発し、ストッパー役の藤平がゲームを締める勝利の方程式が確立された。打撃陣は、パンチ力を秘めたリードオフマン・小上防登生、前田蓮主将、太田真滉、藤平のクリーンアップ勢が鋭い打球を放つ。第1シードにふさわしい充実の戦力で、西東京制覇を狙う。前田主将は「今年のチームは秋に初戦で負けてからキツい練習をみんなで乗り越えてきた。スタンドの仲間と一緒に戦って、甲子園出場を果たしたい」と4年ぶりの頂点を見つめる。西東京第1シード・東海大菅生は縦縞のプライドを胸に夏舞台に立つ。

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