優勝候補筆頭、群馬大会2連覇へ一戦必勝
悲願の夏全国制覇へ選手とスタンドが一体

健大高崎が群馬大会2連覇に向けて出陣した。6月下旬にはメンバー外の3年生たちが引退試合を行い、選手としてのプレーに区切りをつけた。背番号をもらった選手たちは、スタンドの仲間たちのためにも、甲子園出場そして悲願の夏全国制覇へ突き進む。

■メンバー外の引退試合でチーム団結

春選抜ベスト4、春関東大会優勝の健大高崎が群馬大会2連覇へ出陣した。6月下旬にはベンチ入りメンバーを外れた3年生たちが農大二と引退試合を行い、選手としてのプレーに区切りをつけた。高崎城南球場で行われた試合は、チームを支え続けた控えの3年生たちが必死のプレーで完全燃焼。公式戦メンバーがベンチから熱いエールを送った。引退試合で完全燃焼した吉川太陽(3年)は「健大高崎でプレーできて良かった。(夏のメンバーから外れたが)やりきったので後悔はない。自分はスタンドからの応援になるが、みんなで一緒に夏の頂点を目指したい」と気持ちを込めた。加藤大成主将(3年)は「引退試合は、メンバー外の選手の集大成の場。僕らはいつも応援やサポートをしてもらっているので精一杯の応援で恩返しした。夏大会では仲間のために自分たちが勝たなければいけない」と必勝を誓った。

■投手陣は万全の仕上がり

健大高崎は6月28日に国士舘(東京)、松商学園(長野)、7月3日に浦和学院(埼玉)と練習試合を実施して群馬大会へ向けて最終調整を行った。最速158キロの本格派右腕・石垣元気がアベレージ150キロのストレートを投げ込み万全の仕上がりを見せれば、実戦派左腕・下重賢信も130キロの後半のストレートと変化球のコンビネーションで安定したピッチングを披露。昨秋の左肘のトミー・ジョン手術から復活した左腕・佐藤龍月も国士舘、浦和学院戦で投球数限定の登板。浦和学院戦は最速147キロをマークして完全復活を強く印象付けた。28日はNPB10球団に加えてメジャー4球団、3日にはNPB12球団、メジャー2球団のスカウト陣が駆けつけて、石垣、佐藤のドラフト候補の投球をチェックした。

■健大高崎の熱く、長い夏

健大高崎は第1シードで今夏の群馬大会にエントリー。2連覇へ向けて一戦必勝で戦っていく。選抜全国制覇後に迎えた昨夏は準決勝・前橋育英戦で8対2と大きくリードして9回裏を迎えたがまさかの6失点で同点とされてあわや大逆転負けの窮地に追い込まれた。延長タイブレークで9対8と辛勝し決勝へ駒を進めて甲子園切符をつかんだが、あの苦戦は選手たちの脳裏に焼き付いている。昨夏を経験した加藤主将は「去年の夏は優勝した喜びよりも、育英戦の厳しい状況をはっきりと覚えている。今年の夏も簡単な大会にはならないと思うので、苦境を乗り越えるために準備をしてきた。一戦一戦で勝ち切ってもう一度甲子園へ行く」と引き締めた。健大高崎の熱く、長い夏が続いていく。

おすすめの記事