国学院久我山秋優勝V
37年ぶり３回目の秋制覇
劇的サヨナラ勝利で選抜当確
秋季東京都高校野球大会決勝で、国学院久我山が４対３の劇的サヨナラで二松学舎大附に勝利し37年ぶり３回目の秋優勝を果たした。国学院久我山は明治神宮大会出場権を獲得、来春の選抜大会出場が確実となった。
■反撃の狼煙、ベンチのムードは最高
忍耐の勝利だった。国学院久我山は、３、４回にそれぞれ１失点して０対２でゲーム終盤を迎えた。８回表にも１点を奪われて０対３。二松学舎大附・左腕エース布施東海のピッチングに幻惑されていただけに、８回のミス絡みの失点によって、さすがにムードが下がったかに見えた。しかし、８回に４番・成田陸のレフトオーバーの２塁打でチャンスをつかむと、１死３塁から吉川侑杜の内野ゴロの間に成田が生還して１点を奪う。１対３。この１点がチームに勇気を与えて、反撃の狼煙となった。９回一死後、代打の１年生左打者・鈴木勇司が左翼前にクリーンヒットを放つとベンチのムードは最高潮となった。
■４番成田がライトフェンス直撃打
１番・齋藤誠賢の四球、２番・木津寿哉の左前安打で塁を埋めると、２死満塁の場面で、再び成田の打順が巡ってきた。スタジアム全体が、主砲とエースの対戦を見守った。その初球、成田は低めのカーブを逆らわずにフルスイングすると、大飛球はライト方向へ伸びていく。右翼手がグラブを伸ばすが、グラブを弾いてフェンス直撃。国学院久我山の３人の走者が次々とホームを踏み、劇的なサヨナラ勝利となった。先発の渡邊建伸、４回から登板した松本慎之介が我慢強いピッチングで３失点に耐えたこと、最終回に全員がつないだことが優勝への道を切り拓いた。決勝打の成田は「仲間たちがつないでくれたチャンスだったので、思い切り振っていった。ベンチ、スタンドの力が決勝打につながったと思う」と喜びをかみしめた。
全員でつかんだ優勝です
上田太陽主将（２年＝三塁手）
「チーム全員でつかんだ優勝です。３年生たちの前チームが夏（西東京大会）で準優勝となった中で新チーム始動時には力がなく、自分たちの弱さを自覚してみんなで努力してきました。（決勝戦では劣勢になっていたが）最後まで、あきらめなかったことがサヨナラ勝利につながりました」
