
健大高崎
「信念の継投策」
甲子園初戦で昨夏優勝・京都国際に惜敗
投打の最大値を発揮できずに無念の涙
2年連続夏甲子園出場の健大高崎が、全国高校野球選手権・初戦の2回戦で京都国際に3対6で屈した。磨き上げてきた継投策を貫いたが、勝利をつかむことができなかった。
■先発・下重の4失点で「狂ったプラン」
プランが狂った。甲子園初戦の先発は実戦派左腕の下重賢慎だった。
140キロ超のストレート、スライダー、チェンジアップで確実にゲームを作る先発タイプ。しかし、初回に2失点を喫する立ち上がり。それでも打線が援護。3回に相手パスボールで1点を返すと、小堀弘晴の三塁線を破る2点タイムリー二塁打で3対2と逆転に成功した。
ゲームの主導権を奪い返したチームだったが、3回裏に下重が2失点して再逆転を許した。下重が3回までに4失点したのは想定外。それによって継投プランに変化が生じた。
■夏全国制覇への次なる課題
健大高崎は下重が5、6回まで投げて、2番手に左腕・佐藤龍月、ストッパーに最速158キロ右腕・石垣元気を起用する「勝利の方程式」を確立していた。
下重が3回降板になったことで4回に山田遼太を送ったがピンチを招くと佐藤へスイッチ。だが佐藤は5、6回に失点して3対6でストッパー石垣へつなぐ流れとなった。
7回からマウンドに立った石垣は、最速155キロのストレートとブレーキのきいたカットボールを駆使して無失点2奪三振のピッチング。
チームとして意地をみせたが得点が奪えなかった。健大高崎は群馬大会決勝で、下重、佐藤、石垣の好投で優勝するなど手応えをつかんでいた。
だが甲子園ではプラン通りに進まず投手交代が後手に回った。このチームが公式戦で敗れたのは秋関東決勝・横浜戦と選抜のみ。強すぎたがゆえの“死角”だった。
悲願の夏全国制覇へ向けて、チームは次なる課題を持ち帰った。