【TEAM REPORT】静岡大成「新たな船出」OB指揮官着任で「初甲子園出場」へ
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静岡大成「新たな船出」

OB指揮官着任で「初甲子園出場」へ
アグレッシブ・ベースボールを体現

 静岡大成は2025年度からOBの岡本拓也監督が就任し、新たな一歩を踏み出した。常識を打ち破るスタイルで初の甲子園出場を目指す。(取材・栗山司)

■OB指揮官・岡本監督が掲げる新スタイル
 静岡大成にとって、2025年は“新たな船出”の1年となった。
 約13年に渡って指揮をとった横山力監督が退任し、4月よりそのバトンを受け取ったのが岡本監督だ。チームのOBであり、山梨学院大ではレギュラーとして活躍した実績を持つ。
 岡本監督が掲げたスローガンは「アグレッシブ・ベースボール」。走攻守すべてに積極性を求め、「思い切ってプレーしてミスしてしまったら、しょうがないくらいに割り切ろう」と選手に伝えている。打席ではファーストストライクから振りにいき、走塁は常に先の塁を狙う。守りでも、その姿勢は変わらない。
 練習環境は決して恵まれていない。校舎と近隣の高層マンションに囲まれたわずかなスペースを、他の部活動と共有している状況だ。そこで岡本監督は発想を転換。実戦的な動きは週末の練習試合で積み、平日は個々の技術を高めるメニューに特化している。「常識を打ち破っていかないと、格上には勝てない」と語る。


■一生懸命に取り組める選手たち


 今秋の県予選初戦では清水東と対戦。前半で6点を先制され、1対6で敗れた。主将の岡庭龍汰(2年=一塁手)は「アグレッシブ・ベースボールを体現できなかった」と悔やむ。「点差が開いたことでみんな焦ってしまい、積極性を忘れてしまった部分があった」と振り返る。
 大会後は個々の能力を高めつつ、あらためてチーム方針を徹底した。岡本監督は今年のチームの特徴を「一生懸命に取り組むこと」と話す。限られた場所・時間の中でも、日々の練習を全力でこなし、攻守のバランスの整ったチームに仕上がってきた。


■明確になった甲子園への道筋


 攻撃の軸となるのは、力強いスイングで広角に打ち分ける岡庭と、長打力を秘めた深澤力吉(2年=三塁手、一塁手)の2人。ともに中学時代は硬式クラブで腕を磨き、前チームから出場する。
 一方、投手陣も着実に成長している。秋の大会でエースナンバーを背負った小泉俊介(2年)は最速130キロ超の本格派右腕。「前監督の横山先生から『140キロを目指せ』と言われてきました。球速を上げてチームを勝たせたいです」と意気込む。右サイドの望月琉伊(2年)も台頭。11月の沼津商との練習試合では、ドラフト候補の後藤幸樹に本塁打こそ許したものの、最後まで投げ切った。「まだ改善すべき点はある。来年は勝利につながる投球がしたい」と語った。
 岡本監督は就任後、「甲子園出場」という明確な目標を掲げた。高校球児として目指す場所はそこしかない、と全員が覚悟を共有する。
 まずは来春、県大会出場を果たし、その先の大きな夢へ向かって突き進む。

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