2年ぶり選抜出場確実、いざ甲子園へ
選抜高校野球大会は3月18日開幕
東海大菅生が秋季都大会決勝で二松学舎大附を8対2で破って2年ぶり4度目の優勝を果たした。東京の秋頂点に立ったチームは今春の選抜高校野球大会への出場が確実となった。
■雑草軍団がつかんだ栄冠
縦縞のユニホームに袖を通した選手たちは、一戦一戦で強く、たくましくなった。春夏計8度の甲子園出場を誇る「西東京の横綱」。2021年は春夏連続で甲子園出場を果たした。だが、エース鈴木泰成(3年=今春、青山学院大入学)、福原聖矢(3年)ら甲子園経験プレーヤーがそのまま残った2022年は甲子園に届かなかった。夏大会後に始動したチームは、レギュラーが総入れ替え。ゼロからのスタートとなった中で、渡部奏楽新主将(2年)を軸にチームは形成されていった。大黒柱は、190センチ95キロの絶対エース日當直喜(2年)。最速148キロのストレートを投じる大型右腕は2023年秋のドラフト候補。主砲は、新井瑛喜(2年=内野手)。控え投手には、元ヤクルト宮本慎也氏の長男・恭佑(1年)がベンチ入りした。
■投打の歯車が噛み合い神宮球場席巻
秋季都大会にシードとして参戦した東海大菅生は1回戦で日大豊山と対戦。初回に6点を奪って主導権を握ると7対5で逃げ切った。2回戦で明大明治、3回戦で佼成学園に勝利したチームは準々決勝で国士舘と対峙。延長12回の投手戦を2対1で制して、神宮球場が舞台となる準決勝では日大三と対戦し、再び白熱の投手戦を演じた。2対2で迎えた8回に日當の決勝タイムリーで3対2と勝利、優勝に王手をかけた。迎えた決勝では、「東の横綱」二松学舎大附相手に打線が爆発。主砲・新井が神宮バックスクリーンに衝撃弾を打ち込むなど圧倒して8対2で完勝。エース日當は準決勝、決勝の連戦で2試合連続完投勝利。投打の歯車が噛み合った東海大菅生が秋の東京を制した。
■チーム全員で戦った結果
秋東京制覇によって選抜出場を確実にしたチームだが、その伸びしろは大きい。選手たちの「良き親父」である若林弘泰監督は「選手たちの経験値が少ない中で、一戦一戦成長してくれた」と称えた。ムードメーカーとしてチームを支えた渡部主将は「自分たちの弱さを自覚してチーム全員で戦った結果が優勝につながった」と胸を張った。第95回の選抜高校野球大会の選考委員会は1月27日に実施される。大会は3月18日開幕、3月31日決勝(予定)。記念大会のため、出場は例年より4校多い36校が参加する。