春夏8度の甲子園出場の伝統校
2009年以来16年ぶりの甲子園へ
春夏8度の甲子園出場の実績を持つ農大二が2009年夏以来の甲子園を目指してチーム力を高めている。最近の大会での試合ぶりには伝統校復活の予感が漂っている。
■春3度、夏5度の甲子園出場
農大二は春3度、夏5度の甲子園出場を誇る名門だ。1965年の選抜初出場時にはベスト8へ進出した。1980年代には春1回、夏3回の計4回にわたり聖地へ進み、黄金期を築き上げた。だが、桐生第一、前橋育英、健大高崎などの私学台頭などもあり2009年夏を最後に甲子園から遠ざかっている。2013年に夏には、俊足巧打の周東佑京(ソフトバンク=日本代表)を擁して決勝に進出したが、2年生髙橋光成(西武)がエースだった前橋育英に敗れている。農大二に勝利した前橋育英はその年に全国制覇を成し遂げた。
■どんな相手でも立ち向かう
甲子園には届いていないが、近年のチームも地力を秘めている。農大二は2021年春に健大高崎に勝利して決勝へ進出。昨秋の西毛リーグでは健大高崎に勝ち切った。今夏は2回戦でシード高崎商大附に4対1で競り勝ちベスト8へ進出し、前橋育英に7対8で惜敗したが激闘を演じてみせた。今秋の新チームは、夏を経験した荒井奏遼、宮崎小太郎、小川來皇ら打撃中心の選手がそのまま残り、投手陣は実績十分のエース山田琉聖が力を伸ばす。新チームの佐藤伊織主将は「今年はどんな相手でもひるまずに立ち向かっていけるチーム」と話す。
■伝統復活へ一戦一戦に集中
秋初戦のシード高崎商戦は接戦が予想される中で、序盤から農大二の打線が爆発した。2回には荒井が3ランを放ってスイッチを入れると、4回には飯塚壮真も豪快な3ランを放って大量得点。投げては、背番号10のサウスポー蛭川敬介が120キロ中盤の伸びのあるストレートを軸にスローカーブ、チェンジアップを駆使して高崎商打線を封じ12対0の5回コールドで好発進をみせた。OB指揮官の青木一将監督は「一戦一戦に全力で臨み、伝統に恥じない戦いをみせていきたい」と目の前の一試合、一球に集中する。
伝統復活の胎動。農大二は2024―2025シーズンの“主役”になる可能性を秘めている。