準々決勝で健大高崎に屈して8強止まり
涙の敗戦を糧に2010年以来の夏甲子園を狙う

 春夏通算10度の甲子園出場の実績を持つ佐野日大が関東大会ベスト8となった。準々決勝で健大高崎にコールドで屈して選抜の道は厳しくなった。

■1回戦は平塚学園に競り勝つ

佐野日大は1回戦で平塚学園(神奈川3位)に6対5で競り勝った。選抜当確となるベスト4をかけた準々決勝は、佐野日大の左腕・洲永俊輔と健大高崎・石垣元気のエース対決となった。洲永は130キロ後半のボールを低めに集めて相手打線に対峙。2回に2点を失ったが、その裏に満塁のチャンスを作ると1番・井上遥翔がレフト線へ3点二塁打。チームは一気に盛り上がった。しかし、洲永が3回にソロ本塁打を打たれるなど逆転を許した。ゲームは3対5で中盤を折り返したが、6、7回に耐えきれずに3対10に点差を広げられた。まさかの10失点となった洲永は「低めのスライダーを見極められて、ストレートを狙い打ちされてしまった。自分のストレートの質が低かった」と涙を浮かべた。点差ほどの実力差はなかったが、勝負所でのプレーの質が勝敗を分けた。

■投打の再整備で来夏に甲子園を目指す

攻撃陣は、2回に3点を奪って一時逆転したが、3回以降に健大高崎・石垣に抑え込まれた。3打点の井上は「2回のチャンスではうまく打てたが、そのあとは力で抑えられた。相手のボールはズドンと来る感じで速さと重みがあった」と振り返った。麦倉洋一監督は「もっと上まで行きたかったが、これが今のチームの実力。すべてにおいて相手が上だったと感じた」と敗戦を受け止めた。関東1勝で8強入りしたチームだが、準々決勝でのコールド敗戦は、選抜選考において負の要因ともなり得る。エース左腕・洲永の力は高かったが、関東レベルでは投手1人では戦うことが難しい。大舞台で経験を積んだチームは収穫と課題を整理して、来夏に2010年以来の夏甲子園を狙っていく。

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