
33年ぶり選抜出場ならず
夏甲子園へ向けて再起動
秋季関東大会ベスト8の農大二に「選抜切符」は届かなかった。強豪相手に好勝負を演じたことで33年ぶり選抜出場の可能性が十分だったが、無念の選考結果となった。
■計4度甲子園出場を誇る伝統校
春3回、夏5回の計8度甲子園出場を誇る伝統校・農大二。復活を期すチームは、昨秋の群馬県大会で準優勝となり1991年以来33年ぶりの関東大会出場を決めた。1回戦で帝京三に10対3で勝ちきり準々決勝へ。準々決勝の相手は神奈川1位の横浜だったが、エース山田琉聖が好投し5回まで0対0。だが6回裏に2失点を喫すると、横浜のスーパー1年生織田翔希から得点が奪えずに0対2での惜敗となった。選抜当確の4強には届かなかったが、横浜が関東大会、そして明治神宮大会を制覇。明治神宮大会優勝により関東・東京の出場枠が1校分増えていた。横浜と好勝負を演じた農大二を選抜出場候補に推す声も多かった。
■「補欠校」の結果、夏へ向けて再起動
選考委員会当日は、加藤秀隆校長、青木一将監督らがライブ中継を視聴しながら吉報を待った。しかしながら、関東・東京地区の最後の切符は山梨学院へ。農大二は補欠校となった。選考結果を確認した加藤校長、青木監督は、学校から離れた練習場へ向かい、選手たちに報告。知らせを待った選手たちは、神妙な面持ちで「補欠校」を受け止めた。青木監督は「横浜が神宮で優勝して枠が増えた中で、10%とか20%ぐらいの確率かなと思っていた。もし今回行けなくても『勝負は夏』と選手にずっと話してきた。今日からあらためて夏一本に照準を向けてやっていきたい。夏は群馬で頂点を取って選手たちと喜びたい」と選手たちに伝えた。佐藤伊織主将は「今回は可能性があったので春の甲子園へ行きたかった。夏は必ず甲子園へ行きたい」と気持ちを切り替えた。夏へ向けて再起動するチームは、2009年以来の夏甲子園を目指す。

