3度の全国制覇を誇る名門の飽くなき挑戦
秋に屈辱のコールド負けで再起誓う

春夏計39回甲子園出場と3度の全国制覇を誇る名門・日大三。「ガッツ・気合・根性」を注入する選手たちは、夏に照準を合わせて西東京の「王座奪還」を狙っていく。

■昨夏は決勝で無念のサヨナラ負け

西東京の雄・日大三は春20回・夏19回の甲子園出場、そして選抜1回、選手権2回の全国制覇を成し遂げてきた。近年ではエース吉永健太朗、高山俊らを擁した2011年夏に全国制覇、2018年夏には廣澤優、井上広輝の投手陣を揃えてベスト4となった。2022年度にはその夏を制した小倉全由監督が勇退し、参謀だった三木有造部長が後任としてタクトを継承した。三木監督の初陣となった2023年夏には、エース安田虎太郎が覚醒して西東京・夏2連覇を達成。2024年は3連覇を狙ったが、決勝で早稲田実に9対10で惜敗し準優勝で夏を終えた。

■攻守のキーマン本間は主将に就任

新チームは、夏のレギュラーで攻守のキーマン役を務める本間律輝(3年=外野手)がキャプテンとなり始動した。秋都大会1回戦でいきなり日大鶴ヶ丘と対戦すると、5対3で勝ち切って関門を突破。だが準々決勝で二松学舎大附に6回まで1対2で接戦を演じたが、7回に6失点して無念の7回コールド負け。選抜出場が事実上消えて、出直しを余儀なくされた。再起を誓ったチームは年末に恒例の強化練習「冬の強化合宿」を実施。選手たちは朝5時半に起床し、夜明け前のグラウンドで12キロ走。年末にインフルエンザの流行で一度は中断したものの年始に合宿の続きを行い、心技体を徹底的に鍛え上げた。

■投手陣の底上げによってチーム成熟

 今年のチームは、高校通算15本塁打の本間主将、スラッガー竹中秀明(3年=捕手)、松岡翼(3年=内野手)の打撃陣が軸。4番候補は右の大砲・田中諒(2年=内野手・捕手)となっている。投手陣は山口凌我(3年)、川上幸希(3年)、近藤優樹(3年)の3枚による継投。山口、川上は伸びのあるストレートが特長の先発タイプ、近藤は威力あるストレートで強気に攻めるストッパータイプ。投手陣の底上げによって投打のバランスは整いつつあり、春・夏への臨戦態勢に突入している。本間主将は「去年の夏には決勝で負けて人生で一番悔しい思いをした。先輩たちと限界まで努力したのに甲子園へ行けなかった。自分たちの代となった秋は二松学舎大附にコールド負けして情けなかった。先輩たち以上に努力をしなければいけない。これからが勝負になる」と巻き返しを誓う。
 名門の飽くなき挑戦。このままでは終われない。「王座奪還」のために戦う選手たちは「三高」のプライドをグラウンドで体現していく。

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