【日大櫻丘 野球部】「桜旋風、再び」#日大櫻丘

1972年選抜甲子園優勝の歴史

今夏西東京16強は「復活の狼煙」

1972年選抜甲子園優勝の輝かしい伝統を持つ日大桜丘が復活の狼煙を上げた。

今夏の西東京ベスト16へ進出したチームは、 新たな歴史を紡ごうとしている。

2020年度10月号掲載

■2017年冬に新グラウンド完成

1972年選抜で初出場初優勝という快挙を成し遂げた名門だ。

当時の選抜決勝で、日大三を下し春の頂点に立った戦いは、高校野球界の伝説となっている。

同年夏にも甲子園へ出場し、全国に「桜旋風」を巻き起こした。

その後は、学校、練習環境の変化などによって甲子園からは遠ざかっているが、熱血野球ドラマ「ルーキーズ」主演俳優・佐藤隆太さんが在籍するなど野球部の存在感は依然として高い。

2004年に周辺の変化によって練習場がなくなり、テニスコートほどの広さの補助グラウンドで練習に励んでいたチームだが、2017年12月に学校敷地内に縦90メートル横50メートルの人工芝グラウンドが完成。

のびのびとプレーできる環境が再び整い、内野・外野の連携練習も可能となった。

そしてグラウンド完成翌年の2018年4月に入学してきた選手たちが、今夏の快進撃の主役となった。

■大きな舞台の価値ある結果

今夏は、小林孝太郎主将(3年=捕手)、強打者・太田陽也(3年=遊撃手)らを軸にトーナメントを駆け上がった。

1回戦で玉川学園を9対2で下すと、2回戦は武蔵野北を16対0で退ける。

3回戦では錦城を終盤に突き放して4対1で勝利。

4回戦・佼成学園戦を迎えた。

結果的に準優勝となった佼成学園に対して、決死の戦いをみせたが1対9で敗れた。

今夏大会でベンチ入りしたのは、佐藤有真新主将(2年=外野手)のみ。

そのほかの2年生はスタンドで見守った。

新チームのエース林千智(2年=投手)は「3年生の戦いから多くのことを学びました。自分もあのような舞台で投げたいと思いました」と話す。

“新グラウンド1期生”の3年生たちは、価値ある結果を残して引退した。

■3年生の意志を引き継ぐ

3年生の意志を引き継ぐ新チームは、佐藤新主将が中心となり、スケールアップを目指す。

投手は、思考派右腕・林が軸。林は夏休み中の練習試合で強豪相手を封じるなど安定した投球を披露し、投手力は計算できるようになった。

打線は、小島光稀(1年=外野手)、加納大輝(2年=内野手)、林がクリーンアップを固める。

守備では、村元勇太(2年=捕手)、長谷川広星(2年=内野手)が要所を締める。

チームは試行錯誤の段階だが、可能性は広がっている。

練習中、選手たちは積極的に意見を交わして、互いに要求している。

1日1日の練習が、チームの基礎を作っている。

佐藤主将は「夏ベスト16は3年生の結果。僕らはまた1からのスタートになりますが、3年生の成績を超えるベスト8以上を目指して戦っていきます」と気迫をみせる。

選抜甲子園優勝から約50年。

日大桜丘は、新たな伝統を築くべく、令和の時代を突き進む。

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