甲子園春夏通算14回出場の伝統校
2021年は創部100年のメモリアルイヤー
高崎商は今年、創部100年の節目を迎えている。 高商のプライドを宿すOB堤悠輝監督と選手たちは、メモリアルイヤーに9年ぶりの夏甲子園を狙う。
■9年ぶりの甲子園へ気合十分
長い歴史が紡がれている。高崎商は1908年(明治41年)創立、野球部はその13年後の1921年(大正10年)に創部となった。 今年は、創部100年の記念年となる。伝統の野球部は戦前(1945年前)の4度の夏甲子園へ出場。以降は、夏7回、春の選抜3回の創部以来計14度の甲子園出場を誇る。前回の甲子園は2012年夏。エース関純を擁して決勝戦で桐生市商を下して深紅の優勝旗を手にしている。あれから9年、高崎商は創部100周年のメモリアルイヤーでの甲子園出場に照準を合わせる。それは地域、OB、選手の念願だ。今年の3年生の代は、個性あふれる32人が集結。それぞれの力を合わせることで、虎視眈々と頂点を狙う。
■攻守にスケールアップしたチーム
チームをプレーで牽引するのは、1年夏からメンバー入りしている大型捕手・渡邊克紘主将(3年)。勝負強い打撃と堅実なインサイドワークで攻守の要となる。抜群のバットコントロールをみせるリードオフマン・髙野颯斗(3年=内野手)、攻撃型2番・湯浅慶亮(3年=内野手)、2年生主砲・加藤光貴(内野手)、チームバッティングに徹する黒岩樹(3年=外野手)らが打線を彩る。マウンドは、制球力と駆け引きで勝負する田村康陽(3年)がエース。春季大会準々決勝・太田は、エース田村が初回に負傷降板するアクシデントもあり敗退となったが、前橋、前橋商、利根商の公立実力校を倒している。堤監督は「このチームには大きな可能性がある。あとは夏に自分たちの力を出し切れるかどうか」と仕上げに入っていく。
■コロナ禍で迎える夏大会
公立高校は、コロナ禍によって6月中旬まで対外試合ができなかった。高崎商は、週末に合わせて紅白戦を実施。夏のメンバー入りをかけた本気の勝負によって、チーム力は一気に上がっていったという。渡邊主将は「学校で紅白戦をやったことでチャンスが平等になり、チームの刺激になりました。この一体感を夏へつなげていく」と話す。グラウンドには、活気と緊張感が融合。夏へのムードはおのずと高まる。堤監督は「グラウンドの雰囲気がそのまま夏の試合につながる。自分に負けず、自分を追い込んでいけ。限界からどれだけできるかが勝負。普通の練習では甲子園へ行けない。普通じゃないチームが甲子園へ行けるんだ」と選手に喝を入れる。コロナ禍で迎えるメモリアルイヤー。選手たちは、逆境には屈しない、高崎商は、100のチカラを信じて夏の舞台へ立つ。