【作新学院  野球部】「10連覇へ」 #作新学院

束になって戦うチームに
勝ちへのこだわり取り戻せ

中止となった昨夏の甲子園大会を挟み、夏の甲子園10大会連続出場のかかる作新学院。先輩が綴ってきた記録を途切らせてしまうことのないように、と選手たちは夏の舞台に向けて必死に練習を重ねている。(取材・永島一顕)

■甲子園に行くことが先輩への恩返し

昨年の夏、グラウンドには甲子園大会が中止になった中でも必死に練習に取り組む先輩たちの姿があった。傍らでその光景を見ていた田代健介主将(3年=中堅手)は「自分たちが甲子園に行くことが恩返しになる」と強く思ったという。

しかし、昨秋は県大会4強止まり。関東大会出場を逃し、甲子園につながる最初の機会である選抜大会への道はあえなく閉ざされた。  迎えたオフシーズンは、皆が甲子園への強い思いを抱きながらトレーニングに励んだ。その様子を見ていた小針崇宏監督は「(夏季県大会制覇の)勝利を継続しようという思いが伝わり、精神的な成長を感じた」と選手たちを見守った。

■まだまだ力が足りないことを実感

今春の県大会、作新学院は決勝まで進んだものの、“らしからぬ”13失点で佐野日大に敗れ準優勝(10対13)。県代表として臨んだ関東大会では、初戦で浦和学院(埼玉1位)に7回コールド負けを喫した。小針監督は「大会を通じて実力が分かった」と夏への厳しさをかみしめた。選手たちも自チームの現状を肌で感じた。田代主将は「スイング、打球、球際の守りなど相手チームよりスピード感が劣っているのを実感させられた」と振り返る。エースで4番を務めた井上力斗(3年=投手)も「いろいろな面で力が足りないと強く感じた。投打にレベルアップしないといけない」と甲子園までの道のりの険しさを思い知らされた。

■野球への気持ちに火がついた

春季大会で小針監督は、試合内での状況判断など実戦力の物足りなさを感じていた。選手には「試合はやっているけど野球はやっていないよね」と言葉をかけた。それを受け田代主将は「中身の薄いゲームが多かった」と自分たちの戦い方を顧みた。「全員が一球に対して意図を持ってプレーし、束になって戦うチームにしなくてはいけない」と悔しさを滲ませる。多くの課題が残る結果となり、選手たちの姿勢は明らかに変化した。茅島龍之介マネージャーが「関東大会が刺激となって野球に対する気持ちに火がついた」と言うように、だれもが勝つことへのこだわりをより一層抱くようになった。  V10に挑む「夏」を迎えようとしている今、作新学院のグラウンドにはこれまで以上に気迫のこもった掛け声が響いている。

「王座は渡さない」。その一心で選手たちは白球に向かう。

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