2007年夏以来の甲子園へ
交流戦敗戦を力に変えたチーム
文星芸大附が秋季栃木県大会で準優勝を果たし、秋季関東大会出場を決めた。崖っぷちから這い上がったチームは、2007年夏以来の甲子園を目指す。(取材・永島一顕)
■一戦必勝でつかんだ関東大会切符
文星芸大附は1~3回戦をコールド勝ち、最初の関門となった準々決勝では青藍泰斗との競り合いを3対2で制した。シード高根沢との準決勝で12対2の5回コールドと圧勝して決勝へ駒を進めてきた。 白鷗大足利との決勝では、1年生左腕・澁谷優希が先発し1回表を三者凡退に抑える好スタート。その裏には、四球で出た先頭の吉田翔主将(2年)が二盗後、敵失間にホームを踏み、無安打で先制して流れをつかんだかに見えた。ただ、その後は白鷗大足利の主戦・齋藤祥汰を捕らえ切れず8回まで3塁を踏めず、ゲームの流れを呼び込めなかった。
文星芸大附は先発・澁谷から、工藤逞(1年)、入江奏(2年)らへの継投で耐えていくが9回までに5失点。4点を追う9回1死から吉田主将が左中間を抜く三塁打を放ったが後続を断たれ、万事休した。
■決勝敗戦後の涙は本気の証
文星芸大附は、秋のシードを決める交流戦決勝で大田原に敗れてノーシードで大会へ挑んだ。吉田主将は「自分たちの実力を受け止めて、チームとして気を引き締めた」と交流戦を振り返る。選手たちは、交流戦敗退の悔しさを晴らそうと必死に戦い、準優勝を果たした。決勝敗戦後の涙は、本気の証だった。髙根澤力監督は「(関東大会を)経験できるのは良いことだが、まだ勝てる力ではない」と選手の一層の奮起を促す。吉田主将は「高い意識を持って練習し、強い気持ちで挑む」と強豪に立ち向かう姿勢を見せた。交流戦敗戦を力に変えたチームは、秋季県大会で1戦ごとに成長して、関東大会切符をつかんでみせた。進化のストーリーは、関東大会へと続いていく。